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猫額洞の日々

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2019年 08月 11日

(2)鏑木清方『こしかたの記』読了

(2)鏑木清方『こしかたの記』読了_e0030187_22285011.jpg













 写真は8月5日(月)、5pm頃、妙法寺近くで。
 夕方にはちがいないから、4pm過ぎに出てみて
新高円寺で休むつもりが、とんでもない。はるか
手前で熱中症気味になり、倒れ込んだ。


~7月4日より続く

 『こしかたの記』は、ほとんど地下鉄本になっていて、
しかも数日前、いや、近頃わたしの周囲だけ時間の経ち方
が速まっているようなので、1、2週間前に読み終わったの
かもしれないが、(感想というか)引用文を書き忘れていた。

 "卓上芸術"という言い方(だったと思う)で、挿絵や口絵
の仕事(今ならイラストレーションの仕事と呼ぶのか)に
ついて書いた個所があったはずなのに、どこだか分からない。
 だから代わりに、以下を引用しよう。

<私はまだ神田紺屋町の先生の許に通って、いつか
 自分も口絵に花を飾る晴れの舞台に登場する日を
 夢みないのではないが、世がのんびりしていた上に
 自分も慾がなかったのか、少しも焦せる気を起した
 覚えがない。今のように展覧会が憧憬の的になる
 ような時代は夢想だにしなかった。とは云えその時
 にも上野では、守旧派の美術協会と、それに比しては
 新派とも云われる青年絵画協会とが対立して展覧会を
 開いてはいたが、社会の関心は至って薄く、同じ画家
 でも私どものような挿絵志願の者には、遠縁の親類
 ぐらいにしか思えず、床の間へ掛ける掛物など何処が
 面白くてかくのだろうと、私などは後々までそう思って
 いた。>(p95『年方先生に入門』)

 けれど、徐々に考えが変わる__

< 私は挿絵で生活を立てて来たのだから、勢い人物画に
 中心を置くようになったが、肖像画を画こうという考えは
 持たなかった。そればかりか、むしろこれを卑しむ気もち
 さえあったのである。その頃東京の市中には、絹地に墨、
 藍、代赭の三色を用い、顔には淡墨で陰影を施した肖像画
 が普(あまね)く行われたので、これが生意気盛りの画学生に
 堪らなく厭(いや)なものに思われた。
 [略]
 昭和の世代になって、それまで読みものには、小説か戯曲に
 興味を集中していたのが、人の伝記を面白く読むようになって
 来た。>(p106『円朝と野州に旅をした話』)

__そして、複製芸術ではない作品も描く画家になる。18歳の
鏑木清方と57歳の円朝が一緒に旅をしてから35年後、昭和5
(1930)年、「三遊亭円朝像」が描かれる。

 『あとがき』によれば、
<私は画を業としているが、前半生は専門の挿絵画家であり、
 後半生に至って__何と云うか__展覧会に作品を発表する
 のが常態の画家になった。>(p260)

 『続こしかたの記』も、その薄さから地下鉄本になりそうで、
正続を読み終わるまで、時間がかかりそうだ。


     (鏑木清方『こしかたの記』 中公文庫1976再 J)

(1)鏑木清方『こしかたの記』
(2)鏑木清方『こしかたの記』





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サイコパスども__
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by byogakudo | 2019-08-11 22:22 | 読書ノート | Comments(0)


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