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猫額洞の日々

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2021年 02月 24日

(2)芥川比呂志『決められた以外のせりふ』半分強

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 昨日は失礼しました。薬を一つ減らしていたら猛烈な花粉症に陥り、一日、
鼻をかみ続けてブログを書く体力を失いました。去年はまだ楽だったが、今年
の花粉飛散量はものすごいです。




 50年代から60年代にかけては世界的に、19世紀風リアリズムの見直しの
時代だったようだ。20世紀では二度の世界大戦をやって、それでも演劇界の
演出は19世紀のリアリズムが主流だったのを、現在に適した演出、演技を
探していたであろう様子が、芥川比呂志の欧米旅行記から窺われる。
 映画は好きだけれど、舞台がどうも苦手で、そんな奴でも面白く読める、
欧米観劇記だ。舞台美術や照明、役者の登場の仕方など、ひとつひとつが
具体的で、読みながら目の前に舞台が出現するからだろう。

< アメリカの芝居の役者の演技を見ていると、せりふもしぐさも極めて
 自然で、作為を加えた風が無く、内面的な真実の心の動きを捉えること
 を第一としていること、個人の藝を主張する前に全体のアンサンブルを
 緊密に保持しようとしていることなどが、よく分る。[略]
  ただ、今日のモスクワ藝術座の演技を正統スタニスラフスキー・シス
 テムとすると、アメリカの役者の演技は、[略]
  極めて自然だが、時として、自然すぎる趣がある。それもひとつの現代
 の風かも知れぬが、映画にも、テレビにも、そのまま通用しそうな演技で
 ある。>(p65 『II』の『アメリカの演技』)

__これは1968年11月『民藝の仲間』に寄せられた文章だが、今でもアメリカ
の役者の演技の基本スタイルに思える。

 この文章の終わりのほうで__

< [注:アメリカの新傾向のひとつである]「消防劇場」の役者諸君は、アント
 ナン・アルトーに心酔していた。芝居から、文学的要素を可能な限り閉め出して
 しまおうというわけなのだろう。サルトルも、ピランデルロも、偉大には違い
 ない、しかし彼らの芝居は、映画にもテレビにも出来るじゃないか、ぼくたち
 は劇場でしか出来ないことをやるんだ、と彼らは言った。
  この志向は、イギリスの演出家ピーター・ブルックや、ポーランドの演出家
 グロトフスキーの志向にも通じるだろう。即興は、忘れられかけていた演技の、
 あるいは演劇の、もっとも魅力的な側面のひとつである。
  結論は、ない。ただ私は、五カ月の西洋旅行の後、アメリカの芝居や、ヨー
 ロッパの芝居を、つまり翻訳劇をやることに、妙に気が重くなっていることを、
 告白する。あらためて、翻訳劇というものに対する疑問が生じたのである。日本
 には日本なりの、西洋の芝居のやり方があるなどという在り来たりの言い方では
 間に合わぬものが、あるような気がしてならない。[略]>(p67)

__翻訳劇として始まった、明治の文明開花の産物のひとつである日本の新劇を、いかに
20世紀にふさわしい形にしていくか、という姿勢が、演劇に関するエッセイすべてに
共通する。つまり、日本の近代という問題は、演劇にも建築にも(そして不肖、卑小な
わたしという個人にも)共通するのだ。なんとかしなきゃ、なんともならないのか、と。
 演劇は個人の肉体をメディアとする行為なので、"翻訳劇に対する疑問"は痛切である。
  
 
     (芥川比呂志『決められた以外のせりふ』 新潮社 1970年5刷 函)

2月25日に続く~



 今年の花粉症は目玉まで痒い。目薬は市販薬で間に合わせたけれど、鼻をかみ続ける
苦行に耐えられず、病院へ。以前使ったが、いま外している薬以上に強いものはあります
か、と聞いて、二種類を処方される。
 但し麻黄の量が増えすぎるので、一日・2回で、と。





 女性が輝く時代とか、自公組政権は歯が浮くような気色悪いフレーズで女を働かせよう
とするが、なに、男たちにとって便利に使える女を募集しているだけじゃないか。
 記者会見を仕切って、菅義偉に都合の悪い質問をしそうな記者を排除するボディガード女
(得意技はスカ先輩に倣った門前払いと脅迫)・山田真貴子とか、


男社会でサヴァイヴするには、白無垢衣装で男に染め色を決めてもらうのが得策とわきまえた
不見転芸者どもが、輝く女なのか。あほらしい。
 でなければ、自分を男社会の被害者みたいに見せて同性の共感を勝ちとり(騙されるほうも
騙されるほうだ。度し難い)、嘘ばかりついて自作の嘘を信じこむ、安倍晋三と同じサイコパス、
小池百合子とか。耐えがたい。


サイコパスども__呪・滅亡 酢加与死日照/滅亡 亜屁沈臓/滅亡 汚池腐裏子



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by byogakudo | 2021-02-24 21:26 | 読書ノート | Comments(0)


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