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猫額洞の日々

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2021年 12月 17日

あきらめ悪く(2)ANNA KAVAN "MACHINES IN THE HEAD" 、"ICE STORM"

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 写真は、11月12日の西荻散歩のおりに。

Anna Kavan。毎晩、1段落ずつでも読んでいると、いつか一つの短篇も
読み終わる。

 "A BRIGHT GREEN FIELD"からの次の短篇は、"ICE STORM"。
 ニューヨークも雪が降っていたが、マンハッタンのアパートメントから
コネティカットに住む友人夫妻を訪ねた英国人ヒロインは、着いた先で
大嵐、彼女の孤独で孤立した心象風景を拡大したような氷の嵐に襲われ、
動きがとれなくなりそうだったが、ようやっと逃れる。

 疎外され孤立せざるを得ない、ひとりぼっちのヒロインと、彼女を拒否
し続ける世界とのコントラスト。Anna Kavanが書き続けたのは、ただ
それだけかもしれないが、時代も土地も人種も違おうと、心当たりのある
孤独だ。

 一人称で語られる文章と文章との合間に、行を開け、フォントを変えて、
雪嵐のニュースが挟まれる。ヒロインがふと聞いたり見たりしているみたいに。

 友人夫妻の描写も、孤立感を強調する。ヒロインは、妻・Gloriaは、寒さに
やられたきれいな蛇みたいだと思うし、夫・Alは、
<His brown eyes were bright like a healthy dog's.>(p107)
と、評される。
 Gloriaが口を開くと、ヒロインに対して、なんだか絡むようなことばかり言う。
どういう友人関係だろう? 
 駅に迎えに来てくれて、自然の中にばかりいるからであろうか、町に出ると何か
してからでないと帰宅しないGloriaの提案で映画館に寄ってから戻る。ニューヨーク
からの列車内の暖房、着いたときの凍えるような寒さ、映画館の暖房と、感覚を
なくすような冷たさと暖房装置とが交互に出てくる。
 映画館を出たときの雪嵐は、

<Arrows seemed to be falling out of the blackness. While it was in the air
 it seemed to be long shafts of rain falling down, but as soon as it touched
 anything it was ice. The sting of it on your face was like whips.>(p110)

 雪嵐が去った翌朝、ヒロインは独りで近所を歩いてみる。太陽が出てないので、
氷は煌めかず、重い靄の灰色のカーテンが下りているので視界が効かない___

<Absolute stillness. Negation of everything. [略]
  This loneliness, I thought, is my loneliness. I was the only person
 out in the glacial world. I touched an ice-coffined briar with my hand,
 and it snapped off, more brittle than a Venetian vase.>(pp111-112)

 他の短篇にも、冷たい霙が突き刺さるような天候が出てきたのを思い出した。
やっぱり、彼女の集大成は『氷』だけれど、いつか英語版で読むのかなあ?
 読めるのか?


     (ANNA KAVAN "MACHINES IN THE HEAD SELECTED STORIES"
     new york review books 2019)





サイコパスども__呪・滅亡 酢加与死日照/滅亡 亜屁沈臓/滅亡 汚池腐裏子






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by byogakudo | 2021-12-17 22:01 | Anna Kavan | Comments(0)


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