人気ブログランキング | 話題のタグを見る

猫額洞の日々

byogakudo.exblog.jp
ブログトップ
2021年 12月 28日

あきらめ悪く(4)ANNA KAVAN "MACHINES IN THE HEAD" 、"Starting a Career"

あきらめ悪く(4)ANNA KAVAN \"MACHINES IN THE HEAD\" 、\"Starting a Career\"_e0030187_23090570.jpg
























 写真は11月18日、雑司ヶ谷で。ずっと前にもここを撮っていた。なにか
心惹かれる場所。


 "MY SOUL IN CHINA"所収の"Five More Days to Countdown"も
読んだけれど、ちゃんと読めなかった。つまり、子どもを伸び伸びと
育てよう、子どもの自主性を信頼しようという断固たる信念に基づいて
教育していた女性が、若者の叛乱がついに幼い子どもたちにも及んで、
幼子たちに襲われる話なのはわかったし、学生たちから児童生徒たちに
至る反抗の意思表示がクリスマスシーズンだったので、カウントダウン
まであと5日、というタイトルの意味もわかったけれど、細かく単語を
調べないと、読んだとは言えない状態なので。

 最後に収められた"Starting a Career"は、めずらしく、知らない単語
の少ない話だったのに、話者の性別をエンディング近くまで、女性だと
ばかり思って読んでいた!
 それともこれは、わざと間違えさせようとして書かれているのだろうか?
わたしのカンが悪いからヒロインだと思ったまま、(未来系の)ヒーロー
誕生話を読んで行ったのか?

 弁解するなら、President側(新興勢力)とLord Legion側(旧勢力)
とに権力が二分された国家に生きる若い女性(だと思い込んでいた)に、
ある日、後者から宮廷に来るよう召喚状が届く(ついさっきまでcourt
を法廷と思っていた!)。
 彼女(だと思っていた)は進歩的なPresident側の仕事をやっている
のに、反対勢力側に呼ばれるなんて、ありえない。
 宮廷に出向くとき、もし知り合いに見つかったら、悪い評判が立って、
いまの仕事を失いかねない。やっと始まったばかりのキャリアが終わりに
なったに等しい。出廷の日が雪で、人通りがないのでほっとする。
 ___ここらでもう、ふたつの極に引き裂かれたヒロインが理不尽な状況
に翻弄されて疲れ果てる、いつものAnna Kavanらしい展開を予想して
しまった。だって、召喚状を届けにきた若い男は軍人みたいだし(しかし
闖入を咎めて、"Who the hell are you? What's the gatecrashing idea?"
と質すのは、女性の言い方らしくない?)、Lord Legionの素顔は知られず、
誰も内部を知らない宮廷の中には、外からは見えないが、保安要員がマシーン
ガンを携えている。

 後知恵だけれど、Lord Legionにお目見えする前の妙に儀式ばった描写が
コミカルな辺りで気づいてもよさそうだが、その後に出てくるお付きの男が
<handsome young man in a white uniform>
(p166)と書かれているので、若い者同士の異性愛的感情が言わせるhandsome
young manかと思ってしまった。

 読み終わって感想文を書きながらやっと、これはスパイ小説のパロディみた
ようなものかしらと思う。そうであれば、Lord Legionとお付きの男とがホモ
セクシュアルな親密さを感じさせるのもわかるし、Lord Legionから二重スパイ
になることを求められ、承諾した主人公が、多重スパイになればもっと稼げる!
と夢想する終わり方も納得できる(この読みでいいのだろうか? だんだん自信が
なくなってくる)。
 

     (ANNA KAVAN "MACHINES IN THE HEAD SELECTED STORIES"
     new york review books 2019)





サイコパスども__呪・滅亡 酢加与死日照/滅亡 亜屁沈臓/滅亡 汚池腐裏子




..... Ads by Yahoo! ........



by byogakudo | 2021-12-28 21:49 | Anna Kavan | Comments(0)


<< 大岡昇平『疑惑 推理小説傑作選』読了      御茶ノ水で半日 >>