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2023年 08月 19日
![]() 写真は7月21日、錦町・米本珈琲店の近くで。 読書感想文を書くのを怠けてる。感想文というより引用文集 なのに、それでも遅れがちだ。暑すぎて、ということにしよう。 今日買った本のメモ___阿佐ヶ谷、千章堂書店で、『朝日新聞 の記事にみる 奇談珍談巷談 [明治]』と『朝日新聞の記事にみる 東京百歳 [明治・大正]』、どちらも朝日文庫。 奥附に書き込みあり。1998年1月1日第1刷発行と記された 前者には、"1998.1.22. 池袋 芳林堂書店"、1998年2月1日 第1刷発行の後者には、"1998.9.4 松伏町 竹島書店"。 松伏町ってどこだろうと思い検索したら埼玉県北葛飾郡にあり、 まつぶしまち と読む。"+竹島書店"で見たら、松伏町にはないが 他の土地に出てきた。なお、こちらには買った日付、読み始めと 読了日とが書かれている紙片(何かの申込用紙の裏側)が挟まれて いた。メインページへの書込み、線引きは他人の思考につきあう 羽目になるので嫌いだが、こういう痕跡ならたのしい。 記録マニアの面があるので、同病者に会うと親しみを感じるのか。 『酒場の時代 1920年代のアメリカ風俗』は、常盤新平氏が 50歳くらいのころのエッセイだ。飲めなかったお酒が飲めるよう になり、ご自身の思わぬ酒癖の悪さを発見して青ざめたとき、はた と気づかれた。 < 酒が恐ろしいと思うことがある。[略]かつてのアメリカ人も 私と同じように考えたのではないかという気がする。酒さえ なければ、私のように酒癖の悪い奴もアル中もいなくなって、 この世に清潔な楽園が生れる。そこで、憲法を修正してまで、 禁酒法という不可解な法律をつくって実施したのではないか。> (p25『無免許銘酒店"クラブ21"』) しかし、憲法を修正してまでの清潔な楽園志向があるならば、 独立自尊の思想を少し修正して銃規制に向かってもよさそうだが、 そういう方向には行かないのが不思議。 もっとも、この法律ができてしまったのは、 < 「こんどのように、女と教会とビジネスマンとが団結して 戦うと、誰だってかないっこない」> (p15『「高貴なる実験」その前夜』)という述懐も紹介されている。 禁酒法は、酒飲みが密かに感じているうしろめたさ、罪悪感を刺激 して、戦う前から敗北感を持たせた面があるようだ。このやり口は 銃規制に使えないかしらと、"やり口"だなんて麻生太郎を思い出す フレーズだ。 1920年代/禁酒法時代のアメリカの風俗模様___酒を禁止したら、 儲かるというので却って闇酒場が増殖したり、それまであまり嗜ま なかった人たちの間で飲酒がおしゃれな流行だと思われるように なったりした、不思議な時代の話を、さまざまな本を引きながら、 ついでに翻訳家として気がつかれた点も記しながら、熱心に軽やか に書き記される。 「クラブ21」の前身、「レッドヘッド(赤毛)」の項目では、 <食事のほかに、一オンスのフラスク(コンサイス英和辞典[註・ 旧版]では、「携帯用酒水筒」___こういう訳は困ります)入り の酒も出した。>(p30『無免許銘酒店"クラブ21"』) 「ブートレガー」がかつて「闇酒ギャング」と訳されていた(p31) ことは『異説マッコイ物語』でも再度紹介され、アル・カポネに ついて書いた中野五郎(故人)の訳と書かれている(p47)。 ジャック・ダニエルズを「ジャック・ダニエルズ印のウイスキー」 と訳した例も紹介される(p102『弁護士リーマスの計画』)。 細かい話が好きなので、つい引用してしまったが、ジョゼフ・ ミッチェル「ある居酒屋の死亡記事」の紹介は真面目だ___ < 禁酒運動は昔からあった。「はじめに農地ありき、農地は神なり」 というのが、合衆国憲法を書いた人たち、[略]の信条だった。それは 開拓者に共通する考え方でもあった。[略] 彼等はアメリカという処女地に幸福な生活を求めた。そのために、 インディアンを殺戮(さつりく)したのではないか、と十九世紀の説教師や 政治家は説いている。[略]禁酒法は田園と都市の抗争だったという人も いる。田園は昔のエデンであり、都市は現代のバビロン。村の牧師対 工場プロレタリアート。コーン・ベルト(農村)対コンベア・ベルト(工場) の対立。労働者は禁酒法に反対だった。 禁酒法はじつに、都会に対する田舎の最後の勝利だったという説が ある。>(p89『ある居酒屋の出来事』) ___この説を援用してみると銃規制が可能に思えるけれど、それでもだめ かしら? トランプは田舎のルサンチマンを刺激して一度は大統領職に 就いたけれど...。 あれこれアメリカの不可解さを思う。 (常盤新平『酒場の時代 1920年代のアメリカ風俗』 文春文庫 1988初 J) ..... Ads by Yahoo! ........
by byogakudo
| 2023-08-19 22:58
| 読書ノート
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