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猫額洞の日々

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2025年 11月 26日

『黒蜥蜴』も『ジャッカルの日』も途中から

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 TV番組の放送時刻に合わせるのはむずかしい。たいてい、気が
つくともう始まっている。見逃してもいまは、録画してなくても
見る方法があるようだが、NHK BSの午後の映画でも、それはできる
のかしら?

 昨日は深作欣二『黒蜥蜴』、今日はフレッド・ジンネマン『ジャッ
カルの日』を、どちらも後半だけ見た。

 『黒蜥蜴』、とても惜しい。他に誰か、監督する人はいなかった
のか? 監督はそのままであっても、美術監督や色彩設計に適任者が
いなかったのか?
 カラーの色調がひどいし、声の大小が差がありすぎて聴き取りにくい。
日本映画にも字幕をつけてくれないかなあ?
 衣装の色感も、黒蜥蜴の髪を飾るチュールレースが、いかにも安い
ピンク色って何なんだ? 黒蜥蜴の居室や私設美術館(秘宝館?)の
色彩や家具その他の設いの安さがかなしい。予算の問題があるなら、
センスでカヴァーすればと思うが、そのセンスに問題があるのか...。

 我ながらひどいこと言ってるとは思うけれど、やりようでは、いくら
でもカルトな名(?)作になりえたかもしれないじゃないか...。
 粗い(ザツと言ってもいい)色彩しか出せないなら、むしろそれを
強調してバロック趣味に見せるとか、いくらも方法はあるだろう。
 安く、けばけばしいところを美に反転していたら、それこそ三島由紀夫
(ああ、だから11月25日にトリビュート放送したのか)の脚本も活きた
ことだろう。台詞が聴き取りにくいので、せっかくの二項対立する台詞の
やり取りがよく聴こえない(わたしの耳があまりよくないことだけが原因
とは思われない)。
 江戸川乱歩の『人間椅子』や『パノラマ島』も、乱歩の少年ものの風味
も『黒蜥蜴』譚に織り交ぜて、よくできた乱歩=三島ワールドなのに...。
 黒蜥蜴の手下3人がバイクで飛び出し、色つきの煙で追手の車3台をマく
シーンが、昔の児童向けTV番組そのままであってはだめでしょう?
 誰もが親切に、それが乱歩(や三島)の童心を表現してると思ってくれる、
と期待しちゃだめでしょう? あそこは非難されてもナチ風俗で行くべきだ。
 あのころは撮影所があっただろうから、いっそ演劇趣味全開の映画にして、
背景を取り換えるだけ(表現主義みたいに)、美輪明宏と木村功のオペラの
二重唱のような台詞交換をたっぷり見せる、とか.....。


 『ジャッカルの日』は遅れて見たせいで、デルフィーヌ・セイリグがとっくに
殺されていた。残念だ。
 1973年公開。まだ映画が映画らしかった時代。ドキュメンタリみたいに話を
展開するので、むだな効果音が省かれているのがいいなあ。暗殺決行時の警備
シーンは、近ごろのドラマや映画だと今にも起きるぞ、もうすぐだぞと予告音で
知らせて、退屈で寝ている客を起こそうとするが、この映画ではシーンの編集
だけで緊迫感を高める。
 ホテルに泊まるのは危険だと察知したジャッカル=エドワード・フォックスが
サウナで知り合った男の家に泊めてもらうのは、ジョゼフ・ロージー『召使』の
役柄を踏まえているのだろうか? 部屋主に、「君の顔がTVに出ていたよ」と
言われ、ジャッカルは台所にいる彼を殺す。この場面は、カメラを手前の居間に
引いて撮るので、殺し終わった姿しか見せない。最後にジャッカルが殺されるとき
だけ、銃撃されて壁に吹っ飛ぶエドワード・フォックスを映す。
 『召使』と『ジャッカルの日』だけで、エドワード・フォックスは永遠に記憶
される。
 



 Stop the Gaza Genocide




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by byogakudo | 2025-11-26 23:16 | 映画 | Comments(2)
Commented by saheizi-inokori at 2025-11-27 17:49
車の塗装などは、やや非現実的ですが、許しましょう。
思いがけない面白さでした。
Commented by byogakudo at 2025-11-27 19:40
『黒蜥蜴』に関しては、ダニエル・シュミットみた
ような出来を望むわたしが間違っているとは、重重
分かっているのですが、つい、ないものねだりします。
『ジャッカルの日』は、こんなに感じよかったのか、
あのころは映画が信じられていたのだなあと、しみ
じみ思います。


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