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2025年 11月 28日
![]() 川本三郎によれば、 < 「散歩」とは自分の家の近くを歩くこと。「町歩き」は日常の 生活圏とは違う町を歩く。ちょっとした旅のようで楽しい。> (p272『あとがき』) Sとわたしの場合、公共交通機関を使わずに歩いて新高円寺や 野方に行く(帰路は、バスや地下鉄を使う)のも散歩、地下鉄に 40、50分乗って東の東京を歩くのも散歩だ。真夏に日陰のない 住宅地を歩いたり、真冬に川風に吹かれながら大川端を歩いたり と、散歩というより修行に近い歩き方になったりもするが、行き先 への距離に関係なく何時間か出かけていれば、すなわち"散歩"である。 "町歩き"という認識はない。 思い(イメージ)と街のかけらである風景とが合致してしまう瞬間 がうれしくて、散歩するのだろうか? その土地の歴史を調べてから 行ったりしないし、歩いていて目に入る街の様子に惹かれて角を曲がる ことで、いつしかルートができる。何度か行っていると、また同じ角を 曲がっているのに気づく。 今日の写真は、昨日、茅場町から小網町や蛎殻町、浜町と歩いたとき の浜町隧道だが、蛎殻町辺りを通ったとき、これはあの"東京の妖精"が 住んでらした旧三木鶏郎・オフィスのその後、ではないかと感じられる 角地・3階建て(?)があった。たぶんそうだと思うけれど、もっと時間 が経つと、気配は薄れるだろう。甚内神社の空き地も野々村商店跡地も、 どれも気配が減っている。街のかけらをweb上のエフィメラとして、 せめて留めおきたい。 川本三郎の「町歩き」は、「町歩き」ガイドブックにも使えるように 記されている。その町の歴史もあれば、歩き疲れてようやくたどり着く、 自分への褒美の時間、居酒屋で軽く飲んだときの様子も描かれる。 自宅(杉並区浜田山)から遠い町(八王子とか)を歩くときは一泊する。 寝る前には、その土地が描かれた本を読む。軽く、旅である。 < 武者小路実篤の住居のあとに作られた実篤公園。ここに来るのは実は 初めて。存在は知っていたが、実篤文学にはほとんど縁がないので敬遠 していた。 [略] [注:記念館の]遺品のなかにひとついいものがあった。ステッキ。 志賀直哉から贈られたもので、直哉が木を削って作った手製のものだ という。手製のステッキを贈る。文士の風雅である。[略] 実篤公園からまた戻って仙川の商店街を歩く。古本屋を覗く。桐朋 学園があるためか音楽書が多い。小澤征爾と大江健三郎の対話集を買い 求め、近くの小さな寿司屋で遅い昼食を取る。 [略] 話好きのおやじさんが町のことを色々話してくれる。店を開いたのは 15年くらい前。その頃から人口が増えた。町には、和光堂のほかに キユーピーの工場と榮太樓の工場もあって商店街は活気がある。いい店 が多く、調布から買物に来る人もいる。 実篤公園に行ってきたというと、おやじさんは、実篤もいいけど安部 公房がいいよという。安部公房は、仙川に住んでいて、よくこの店にも 来たという。地元の有名人といえばまず安部公房だったと、おやじさんは 大いに自慢する。>(pp190-191『東京郊外の懐の深さに心打たれる町 「調布」』) 単行本が2003年に講談社より刊行、この文庫版は2006年だ。 川本三郎は1944年生まれなので2003年だと59歳。一泊二日で一日に 5、6時間は歩いている。60歳くらいなら、これくらいは歩けるか。Sと わたしも、昔はろくに休まずに歩き続けていたのだけれど。 (川本三郎『東京の空の下、今日も町歩き』 ちくま文庫 2006初 J) Stop the Gaza Genocide 自民党裏金リスト(選挙区別一覧)___顔写真と名前の下の左側、 プロフィール図柄(?)を開けると当人の公式サイト、右側を 開けると自民党サイトの彼・彼女の紹介になる。 ..... Ads by Yahoo! ........
by byogakudo
| 2025-11-28 22:12
| 読書ノート
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Comments(2)
川本三郎のこの本はまだ読んでなかったと思います。(見逃してた)探してぜひ読みたいです。町から本屋が消えたので、ネットを利用しようか、でも近いうち上京するので書店巡りはしようと思ってます。高円寺もよく登場しますね。
ねじめ正一も何冊か読んだので、高円寺も歩きたいとか、下町にも行ってみたかったり、仙川にも興味がわきました。 安部公房も最近手に入れて積んでます。 西荻窪には必ず行くのですが、、。 いつもいろいろ刺激受けてます。 ありがとうございます。
1
ありがとうございます。
川本三郎は『フィールド・オブ・イノセンス』 (河出文庫)もあるのですが、1993年刊なので 文字が小さく、しかもヤケがひどくて、手元に ありながら読めないのです。どうすればいいのか。 何度かトライしては引き下がっています...。 |
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