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猫額洞の日々

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2026年 02月 02日

(1)岡崎武志 編『愛についてのデッサン 野呂邦暢作品集』もう少し

(1)岡崎武志 編『愛についてのデッサン 野呂邦暢作品集』もう少し_e0030187_23354235.jpg



















 最近、2、3箇所の古本屋さんで見かけている文庫版『愛についての
デッサン 野呂邦暢作品集』である。昨日、近くの リコリコ でも見て
しまった。こんなに何度も出現するのは、「わたしを読め」という本
からの指令であろうと思い、買ってきて読んでいる。

 表題作は『古本屋探偵の事件簿』という副題をつけることも可能な、
本と本をめぐる人々(作家、作家の家族、古本屋とその家族、読者たち)
にまつわる、大きくはないがさまざまな謎が綴られる、連作短編集だ。

 父親の跡を継いで古本屋"佐古書店"店主になった、まだ若い男・
佐古啓介が主人公。

 時代は1978年頃、
古本屋の場所は、<杉並区阿佐谷北一の一六の五>(p199『本盗人』)、
古本屋のサイズは、<間口一間半、奥行二間半ていどの狭い店>
(p177『本盗人』)、
定休日は、
<月の第二第三火曜日ということになっている。中央線沿線にある
 ほとんどの古書店が休む日でもある。>(p132『ある風土記』)、
という設定である。

 いまは妹と二人暮らし、父親が生きていたときは三人で住んでいた
(母を早く亡くしている)のだから、二階建ての店舗兼住宅だろう。

 しかし、設定された所在地は、今も昔も住宅地だ___

<佐古書店から歩いて五分とかからない裏通りの一角に[注:スナック]
 「青い樹」はあった。十人も客が入ればいっぱいになってしまう。
 ある日の閉店後、ぶらりと這入ってから行きつけになり、このごろは
 毎晩のように通っている。>(p69『愛についてのデッサン』)

___といった界隈は、もっと国電・阿佐谷駅に近づかないと存在できない
だろう。まあ、『愛についてのデッサン』という平行宇宙(フィクション)
上でのことなので。

 "佐古書店"は、作者にとっても読者にとっても、一種、理想の古本屋
である___

<中央線の駅近くに位置した、間口は一間ていどのちっぽけな古本屋
 である。啓介は売れるものならなんでも売ろうとは思っていなかった。
 小説、歴史、美術関係に限定し、それも小説なら自分の好きな作家の
 ものをあつかいたかった。>(p10『愛についてのデッサン』)

<とりたてて珍しい本は並べていない。どこの古本屋でも売っている
 詩集がおさめられているだけである。ただ、よその店より詩集が多く
 揃っている所がややちがっている。>(p97『若い沙漠』)

___こういうすてきな古書店である。古書目録も熱心に作る。現実世界の
古本屋との違いは、よく旅行に出ること。頼まれて生原稿を長崎に買いに
行ったり(『燃える薔薇』)、頼まれて学者の遺児に会いに京都へ行ったり
(『ある風土記』)するが___

<(たのむ。[略]費用はもちろん出させてもらう。休業で生じた店のロスは
 埋め合せる)
  章雄[注:啓介の学生時代からの友人]はそういって分厚い札束をおさめた
 封筒を渡した。>(p148『ある風土記』)

___ここを読んで安心するのは、元古本屋だからだろうか?

     
     (岡崎武志 編『愛についてのデッサン 野呂邦暢作品集』
     ちくま文庫 2021初 帯 J)

2月4日に続く~




 Stop the Gaza Genocide

 I don't want to be used my tax to buy the weapons which are
certificated their abilities upon killing the Palestinians.





 自民党裏金リスト(選挙区別一覧)___顔写真と名前の下の左側、
プロフィール図柄(?)を開けると当人の公式サイト、右側を
開けると自民党サイトの彼・彼女の紹介になる。

候補52人リスト___日刊ゲンダイによるこのリストは、「裏金」+
「統一教会」から支援を得ていた議員のリストである。











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by byogakudo | 2026-02-02 21:09 | 読書ノート | Comments(4)
Commented by nanamin_3 at 2026-02-03 09:01
なんか読んでみたくなっちゃいますね、その本。中央線には結構思い入れがあるので。阿佐ヶ谷も本屋(新しい本の方)減りましたね。古本のコンコ堂とか千章堂とかは、時々行ってました。
Commented by norakoubou2426 at 2026-02-03 20:31
そのころ西荻に住んでて、友達が高円寺、阿佐ヶ谷、荻窪に住んでたのでよくウロウロしました。
阿佐ヶ谷は古書店じゃなくジャズ喫茶に入り浸ってた時期があります。読んで見たいです、この本。
Commented by byogakudo at 2026-02-04 12:41
nanamin_3 さま

阿佐ヶ谷「書原」がなくなったのが、いまだに
無念です。古本は、千章堂、ネオ書房、コンコ堂、
銀星舎に、鹿のデコイ まで! 高円寺から古本屋が
減っているのに阿佐ヶ谷は増えてますね。 

Commented by byogakudo at 2026-02-04 12:59
norakoubou2426 さま

かつての中央線沿線、のんきな空気が漂って
いましたね。いまものんきでなくもないですが、
昔のほうがもっと呼吸が楽だったように思います。


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