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猫額洞の日々

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2026年 02月 04日

(2)岡崎武志 編『愛についてのデッサン 野呂邦暢作品集』読了

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 Sによれば、「いや、むかしの高円寺や阿佐谷は、いまよりもっと住宅地
と商業地が混じっていたよ。なんでこんなところに、と思うような住宅地に
ジャズ喫茶があったりした」から、"佐古書店"の所在地設定が不思議では
ないそうだが、わたしは別口の推理をしている。
 ここまできっちりと指定したのは、まず実際に古本屋があるとは考えられ
ない場所(住宅地)だから、創作上の設定をしても当該所在地に迷惑をかけ
ないから、ではないかしら? 

 詳しい住所設定は、もう一箇所、
<杉並区荻窪五の二一の一七 翠苑荘>(p202『本盗人』)
というのがある。ここも女子大生の住むアパートにしては商業地過ぎるから、
わざとそうした、という理屈も考えられるのではないだろうか?

 "純ミステリ"なら、扉に「登場するのは架空の人物、場所なのでもし現実に
一致する人や場所があっても作者の意図するものではありません」と断り書き
を入れればすむが、ミステリ風味もある、ややエンタテインメント寄りの小説
なので、それは省いたのか?

 むかし復刻版・単行本が手に入ったとき、読まずにすぐ新着欄にあげたのは、
いきなり主人公がフルネームで書かれていることに驚いたからだった。場所と
主人公の設定が具体的すぎて、まるで住民票みたいと感じて馴染めなく、読む
のをパスしたのだった(野呂邦暢が再評価され出したころで、すぐ売れそう、
と思ったからでもある)。
 
 それから20年後のいま読んでみると、実在性を高めそうな詳細な場所設定は、
逆に、虚構性を保証する技巧と思えるではないか。
 まあ、インターネット普及の遥か以前に書かれた小説だから、詳しい所在地が
記されているとすぐ、googleのストリートヴューで検索する読者が出るだろう
とは、作者には思いもよらないことである。

 巻末の『編者解説』で岡崎武志氏が、野呂邦暢の撮った写真___

<古本屋の店頭、本を手に取る客、全集が積み上げられたウィンドウなど、
 およそ半世紀前の東京の古本屋が>(p405)

___写っているプリントをまとめて、小山力也(古本屋・ツアー・イン・ジャパン)
氏と組んで、『野呂邦暢古本屋写真集』を上梓されたことを書かれている。
 これも今、ちくま文庫になっている。素人のスナップ写真であるが、妙な臨場感
(撮影してよいものか、許可を得ることもためらって、急いでシャッターを押して
その場を去ったような感じ)と思い入れのある、写真集(?)で、『愛についての
デッサン 野呂邦暢作品集』の挿画にふさわしい。

 他の収録作では、"無人島版マッド・マックス"みたような『世界の終り』が
よかった。家庭教師が"怖るべき子ども"と遭遇する『鳩の首』も好きだ。
 言葉でコミュニケートする前に、敵対する行動(諍い)で会話する話が多い。
戦争の記憶はまだ強く、野呂邦暢は8歳になろうとするとき、疎開先の
<諫早から原爆投下を目撃している。>(p402『編者解説』)


     (岡崎武志 編『愛についてのデッサン 野呂邦暢作品集』    
     ちくま文庫 2021初 帯 J)

(2)岡崎武志 編『愛についてのデッサン 野呂邦暢作品集』




 今日は高円寺に近づいてから中野に向かうコース。まんだらけ海馬 の
赤い壁棚で、ちくま学芸文庫版の エマニュエル・レヴィナス『実存から
実存者へ』と、ミシェル・フーコー『精神疾患とパーソナリティ』、
山田風太郎『わが推理小説零年』(ちくま文庫)、マイクル・Z・リューイン
『夜勤刑事』(HPB)。




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by byogakudo | 2026-02-04 21:41 | 読書ノート | Comments(0)


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