2006年 08月 05日
わたしにはそれほど、でも好む人は多そうな小説。ハードボイルド・ヒーローに 感情移入できないから愉しめなかった部分が大きい。「男って奴は」とも 「男は常に少年の心を抱いてる」とも主人公は(作者も)言ってはいませんが、 読者にそんな輩がいるんじゃないかと邪推する、わたしがいけない。 主人公の感情を描写するのに、60-70年代ロックのタイトルが上手く使われて いたり__ロックなら何でも万遍なく聴いていたというキャラクター設定。ヴェルヴェッツもストーンズもロバート・ワイアットも・・・でも、フェイヴァリットが 解らないのが欠点だ。__サディスティックな悪党を表現するのに、 p414<「・・(中略)・・『サタデー・ナイト・フィーバー』の男みたいに」 「トラボルタ?」 「ああ、もうひとつの映画のときの」マルキーは部屋中を乱射するような 仕種をした。 「『パルプ・フィクション』?」> という男に実際対面する破目になったリーバス警部の感想は、 p468<顔の向きによっては、若いころのレナード・コーエン、あのカナダの 小説家に似ている。トラボルタになぞらえるのは的外れだ。>と修正する。 わたしにも読める、悪くないハードボイルド・ミステリだったが。 (イアン・ランキン HPB 04年7刷 帯) 新着本
by byogakudo
| 2006-08-05 13:19
| 読書ノート
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