(写真はクリックすると拡大します。)
貴族的な牧場主が君臨する小共同体内部の軋轢が、山火事を装った放火で
一挙解決?された、ということは解ったが、主人公は事実の暴露をあきらめる。
おぞましい実相を明らかにしたところで、生き残った人々を苦しめるだけなので。
こちらも良い出来のミステりだ。好きで言えば、「ドリームタイム・ランド」。
「ドリームタイム・ランド」(DEATH IN DREAM)が59年、「謀殺の火」
(MURDER'S BURNING)は67年の作品である。いままで翻訳されなかったのは、
オーストラリアが身近になったのが近年のことだから、だろうか?
2冊読んだくらいでは、まだオーストラリアに親しみを感じるまでに至らない。
オーストラリアと聞いて浮かぶイメージはいまだ、広いところ、アボリジニがいて
白豪主義者がいるところ・・・ん、これでは、アメリカとどう違う?
コーティアの綴りはCourtier。仏系? (S.H.コーティア 論創社 05初帯)