2006年 10月 22日
(写真はクリックすると拡大します。) 80年代の" Brutus "で読んだ記憶がある。戦前版「新青年」のファッション頁 " vogue en vogue "(ヴォガンヴォウグ)等を担当していたモボ、中村シンジロウ (シンジロウだったと思うのだけど)の写真や彼の思い出を知る人はいないか という記事だった。反響はなかったようだが。 ある時代、ある特定の狭い範囲で名を知られていたが作品がないので、彼を 知る人々の死とともに忘れられた、しかし気になる人物がいる。坂本紅蓮洞とか、 変人の伝説しか知らない。しかもどう変人だったか、エピソードがきちんと 伝わっていないので、解らない。 時代のイメージは彼ら小ロマン派、にせの宝石のような輝きを見せる人々に むしろよく現れていると思う。 長谷川伸「石瓦混淆」(中公文庫 89初)に出てくる中村シンジロウの話: < 飛騨遊記 六月三十日夜十一時四十五分の品川駅発の明石行の列車にのる。不良少年 中村が例のラッパズボンで青白い秀麗な顔を近づけてきた。聞けば花月園で 今夜ダンスをやり友達を送って来てこれから帰る処だという。この少年の事 だから友達というのは多分フラッパーだろう。 (中略) 同じ寝台車に五月信子氏が弟と一緒に乗っていたので近代座の現在と将来とを 論じた。中村少年がやや固くなって横浜で下車して行った。(以下略)>
by byogakudo
| 2006-10-22 14:17
| 読書ノート
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