2007年 01月 08日
(写真はクリックすると拡大します。) 1913年、第一次世界大戦の前年、26歳のメグレ青年、初めての事件 である。メグレ警視というと年を取ってからのイメージ、それも晩年の ジャン・ギャバンの顔で想像するのだが、ここでは26歳、細くやせている。 役者でいえば、誰みたいだったのか。顔が浮かんで来ない。 新婚5ヶ月のメグレ夫人も登場。彼女もしたがって若く、 <・・・お菓子屋か、乳製品屋の大理石のカウンターの向こうでしか 見られないような、生き生きした大柄な娘だった。メグレが日がな一日、 リシャール=ルノワール環状通りの小さなアパルトマンに放っておくのに、 ちっともたいくつしないでいる、生命力に満ちた大きな娘。>(p34) である。ルノアールの絵に描かれたような若い女性だったのだろう。人柄が よく、夫を信頼しきっている。 上流階級の屋敷内で殺人事件が起きたが、情報を齎してくれるやや色情狂的な 女中さんに対しても親切である。彼女がメグレ青年を誘惑する可能性なぞ、 つゆだに思わない。なかなか、できることではない。(たんに暢気なのか?) この調子だと、見つける度に買って、いつの間にかメグレ・シリーズ読破に なりそうだ。 (ジョルジュ・シムノン 河出書房新社 83年新装初)
by byogakudo
| 2007-01-08 19:28
| 読書ノート
|
Comments(0)
|
アバウト
カレンダー
カテゴリ
以前の記事
2024年 03月
2024年 02月 2024年 01月 2023年 12月 2023年 11月 2023年 10月 2023年 09月 2023年 08月 2023年 07月 2023年 06月 more... ■ねこ新聞
■月刊ねこ新聞Twitter ■蟲文庫 ■kissa e(@higashi-koenji) ■往復書簡 ■旅猫雑貨店 路地裏縁側日記 ■海ねこ的 日々の暮し ■森茉莉街道をゆく ■山崎阿弥 ■サイコ☆ヒステリック 徒然日記 ■穴熊 日記 ■だらだら放談 ■鈴木創士 ■安柊有人(@sosi-suzu)・Instagram ■西谷修―Global Studies Laboratory(GSL) の後継ブログ ■nibuya(@cbfn) ■so_kusumori ■楠森總一郎 EROS VERSUS ■hirose tadashi|photographer ■kizashino ■きざし乃 栞 ■do-do ■スローラーナー ■muttnik ■やっぱりモダニズムが好き! ■かめ設計室 ■建築ノ虫 ■ご近所の日々 ■素人魂~特濃魚汁~ ■素人魂@いたちょ ■胡乱亭 ■梟通信~ホンの戯言 ■左平次(@saheiziinokori) ■花も嵐も踏み越えて鉄道人生44年 ■PAPERWALL ブックデザイナー日下潤一の日々 ■daily-sumus3 ■藤原編集室 ■退屈男と本と街 ■古本屋ツアー・イン・ジャパン ■okatakeの日記 ■ギャラリー ときの忘れもの ■ときの忘れもの@twitter ■銀座レトロギャラリーMUSEE ■痩せたり太ったり ■橋場一男 ■Tracy Talk・・・ ■Unknown Pleasures ■メグブログ 美咲歌芽句 ■亜湖公式サイト ■五月真理矢写真館 ■ヒゴヒロシ ■坂本弘道公式サイト ■三信ビル保存プロジェクト ■逗子なぎさホテル ■わき道にそれて純喫茶2 ■アトリエ プティカ 最新のコメント
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||