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猫額洞の日々

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2007年 04月 12日

「GO NOW」もう少しで終る

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 (写真はクリックすると拡大します。)

 Richard Hellの公式サイトに、"Go Now"原本の書影が出ている。
Go Now
原本の表紙はモーテルのツィンベッド、日本語版は疾走する車から撮った
いかにもアメリカらしい風景写真で、もうすぐ読み終える段階の感想だが、
原本の表紙を選びたい。

 日本語訳のハイウェイ風景も、選んだ理由がわからなくはない。ケルアック
「路上」みたいなある種の、悪童もの・ビート文学の系譜であると伝えたいの
だろう。でも、読んでみると確かに路上を進んではいるが、基本的に部屋で
読み書きしている内省的な青年が、どこに行っても、うだくだ悩んでいる、
不決定(かつファニー)の物語である。

 LAからNYまで、50年代の無垢なアメリカの夢の塊のような大型車を運ぶ。
その間、写真家のガールフレンドが写真を撮り、主人公のロック詩人がノート
して、旅の終りに1冊の本にするという企画だが、彼はヘロイン中毒のまま
旅立つ。
 中毒に悩まされながら(結局いつもヘロインを手に入れている)かつて
熱愛し、その後友人づきあい状態の彼女と恋が蘇りまた破綻しと、無垢なる
アメリカの夢は疾うに終っていることを追認するかのような、どうに行き場の
ないブランク・ジェネレーションの恋物語でもある。
 (ふっと思い出したが、シド・ヴィシャスにこれくらい内省的な分析力が
あればナンシーを殺さずにすんだんじゃないだろうか。)

 ビートニク誕生原因のひとつに「冷房装置の悪夢」があるが、"Go Now"原本の
表紙は、これを想起させる。結ばれそうで結局、分離したままの彼と彼女の関係を
暗示しているともいえる表紙である。

by byogakudo | 2007-04-12 16:56 | 読書ノート | Comments(0)


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