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~6月12日より続く
文庫版あとがきには先行する版のあとがきも収められている。
二度目の出版、三一書房版あとがきより引用。(p636)
< 幼年時代、わたしの家は、ひどく貧しかったらしい。それでいて、また
へんなぜいたくさもあった。というのは、わたしには、ただの一冊も絵本
や童話を買ってもらった記憶はないけれども、母が自分でバーネット夫人
の『秘密の花園』を訳してくれ、その何冊かの手書きのノオトをむさぼり
読んで過したからである。いつまで経っても見つからない花園の入口の
もどかしさ、深夜にきこえてくる泣き声の無気味さは、いつまでも
わたしのものだ。(以下略)>
最後の「いつまでもわたしのものだ」の痛切さにイカレる。むむ、ファンに
なっちゃうのかしら、くすぐったさを堪えつつ?
ただ、いまのところとは言え、連作短篇集ほどくすぐったくはないのですが、
このペースで、ブキッシュなメタミステリとして進行してくれることを祈る。
登場人物名の宝塚趣味も、いまのところクリアー?している、わたしは
野蛮な女。
6月14日に続く~