Sに「二月三十一日」を廻したので、ガードナー「怒った会葬者」
(HPB 57初)にする。
ガードナーにはめずらしく会話体でなく状況が叙述される導入部。
それはつまり「状況証拠は犯罪証明のために欠くべからざるものである」
ことをミステリの中で描くために必要な情報だったからで、ペリー・
メイスン登場とともに、会話体がふえてくる。
原書の発表年度が記されてないが、ペリーが朝食抜きで駆けつけた
私立探偵ポール・ドレイクのために朝ご飯を用意してあげる場面で
<・・・缶詰のオレンジ・ジュースをあけた。>(p71)とある。
紙パックでは勿論なく、瓶詰でもない。オレンジ・ジュースが缶詰
だったとは、いつ頃のことだろう?
今なら「車椅子」であろうが、「移動椅子」(ルビは「ウィール・
チェア」)、「自動車」と書いて「くるま」とルビ。いろいろ愉しい