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猫額洞の日々

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2007年 11月 24日

「不思議な国の殺人」読了

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 原題がすてき、"NIGHT OF THE JABBERWOCK"。「ジャバウォック
の夜」とでも直訳すればと思うが、初訳は1964年である。ルイス・
キャロルといえば「不思議の国のアリス」しか知られていない、
子どもの本の作家扱いだっただろうから。

 「不思議の国のアリス」と「鏡の国のアリス」の話に、キャロルと
いうかドジソンの数学的著作もからめて探偵小説が進行する、妙な
ミステリだった。

 主人公はカーメル市の週間新聞社主であるが、カーメルって、
あのイーストウッドが市長をしていたカーメルだろうか。
 主人公・ドックが仕事を終え、一杯やりに行こうとして友人を
誘うが断られるシーン
< 「・・・しかし、ともかくあんたの厚意は感謝するよ、ドック。
 ここんとこは次回有効券を出しておいてもらおうや」>(p11)
 「次回有効券」はrain checkの意訳だ。

 なんで原文を読まずに(読めずに)断定するかと言えば、人生に
不必要なへんな知識はみんな都筑道夫で学んだ。
 コーコ・シリーズ「まだ死んでいる」(光文社文庫 88初帯)p236を
お読み下さい。
< 「雨がふって、半札ってところだけれど、まる札をあげて
 おきなさいよ」〜
  「・・・『レイン・チェックをもらっておこう』というと、
 『こんど、つきあうよ』って意味になるの」>
     (フレドリック・ブラウン 創元推理文庫 85年12版)

 お師匠さんがいらっしゃり、「秋の牢獄」をお返しする。11月
7日水曜日に貸して下さったのは、あくまでも偶然そうなったと
言い張られる。
 某お客さまが探している本のタイトルを申上げたら、3冊のうち
少なくとも2冊はもっている筈だ、いや3冊ともあったかな? という
ことで、月曜には電話で知らせて下さるそうだ。

 今週の新着欄です。よろしく。
 新着欄
 

by byogakudo | 2007-11-24 13:29 | 読書ノート | Comments(0)


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