2008年 01月 30日
写真は国立天文台 三鷹キャンパス「ゴーチェ子午環」。 「親父熱愛(オヤジ・パッション)PART2」(伊東四朗 吉田照美 講談社文庫 03初)はラジオ番組を活字に起こしたもので、実際に 聞いていたらもう少し面白がれるのだろう。山手線各駅にまつわる 思い出話の中で、新大久保・海城(かいじょう)高校出身者として 岸田森の名前があがらないのが残念だ。 「日本人は笑わない」(小林信彦 新潮文庫 97初)は、さっき読了。 美空ひばりに関する彼の視点が面白かった。 わたしは田舎のプチブル家庭で、美空ひばりは「下品だから、 そんなもの聞いてはいけません」と言われて育ったが、オーセン ティック(なぞと言うと「野暮天!」と叱られそうだ)な下町の 落語とアメリカニズムの混淆世界に育った小林信彦の目にとらえ られた美空ひばり像は、儒教的な否定ではなく、自意識を欠いた 奇矯な存在への違和感が淡々と綴られ、同時に彼女の死で「昭和が 終わった」と簡単に片づけるメディアへの批判にも至る。 本の感想とは何の関係もないが、夕べはジャック・イジュランの 名前が出てこなくて、45分かけてやっと思い出した。お風呂上がり にふと「赤と青のブルース」でマリ・ラフォレと共演していたのは、 ジャック・・・ええとなんだっけ?と思ったのが運の尽きで、ほら、 アルチュール・Hのお父さんで、「赤と青のブルース」のころは シシーな男だったけれど、ええと、バシュロン、いや、ブシュロン、 ロンで終わるような名前だ・・・と半分あきらめていた。店で ウェブ検索すればいいやと寝る支度をしていたら、毛布を広げた 瞬間、「ジャック・イジュラン!」。 固有名詞が海馬から消滅してゆく、寂しい季節。
by byogakudo
| 2008-01-30 14:57
| 読書ノート
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