2008年 02月 09日
お師匠さんの他にも本を貸してくださるお客さま(こちらは 女性)が登場された。 「何が好きかわかんないけど、適当に選ん」で持って来て 下さった中の1冊、アン・ペリー「十六歳の闇」(集英社文庫 04初帯)読了。 ヴィクトリア朝ロンドンを舞台にした擬古典風ミステリだ。 ピーター・ラヴゼイなど、イギリス人の好きな時代設定であろう。 貴族の息子が全裸死体でスラム街の下水道で発見される、 という導入部はヴィクトリア朝のダークサイドを示していて 期待したのだが、残念ながら好みと外れた。 作者は社会改良への思いが強すぎるんじゃないかしら? たしかに女性参政権もなく、女は何かといえばショックで 失神するのがお上品とされた時代にも、意欲的な女性たちは 存在しただろうが、主人公の警視を助けて活躍する妻の描き ようが、あまりに70年代ウイメンズリブ的だ。 作者はきまじめ強すぎて、ミステリに必要なヒューマーや 時代への距離の取り方が狂ってしまった、と思う。 また、原題は死体発見場所の地名BLUEGATE FIELDSだが、 思わせぶりで売らんかな姿勢見え見えの邦題にされたのも困る。 ひどいセンスだ。 と書いていたら、お師匠さん以外のもうひとりのお客さま、 森茉莉関連を貸してくださった方がいらっしゃり、年末に お借りした本をお返しした。古本屋ではなく読書倶楽部 みたいですね。 古本屋もやっています。今週もよろしく。 新着欄
by byogakudo
| 2008-02-09 12:56
| 読書ノート
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