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猫額洞の日々

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2008年 03月 07日

神保町から新宿へ

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 もうちょっと早起きできるといいのだが、今日も着いたのは
2pm頃。かなり棚の本が傾いでいる、空気は濁っているで、
自分が悪いのに不機嫌になる。

 棚を眺めながら半可通の哀しさにひたる。中途半端に本を
知ったせいで、本全体をあたかも知り尽くしてしまったかの
ような不遜な顔をして眺めているわたしに、嫌気がさす。
 自分の手持ちの範囲からちっとも出ていないし、深まりも
していないじゃない。新鮮な角度で本を見る態度をもたないと
先がないよ。

 着いたときは晴れて暖かかったが、古書会館を出たら、
曇り空。風も冷たくなり、新宿では雨がぽつぽつ落ちて来る。
義母(Sの母)のためのDVDを探す。

 彼女がある日、店に来て、開口一番
 「ねえ、阿佐ヶ谷ラピュタでは古いフランス映画は
やらないの?」

 映画ファンが嵩じて東宝に勤めたようなひとなので、
池波正太郎の映画本なら、好みが似通って愉しめるのでは
ないかと、数冊差上げたら、映画熱が燃え上がった。

 義母がもう一度見てみたい一本が「商船テナシチイ」だ。
東宝にいた頃、「佳い映画だから、皆さん、交代で見て
いらっしゃい」と上から言われて見に行ったそうだが、
若すぎたせいか、よく覚えていないから、と。

 事務職であろうと、映画や演劇の会社に勤めているからには、
自分の扱う仕事の内容に通じていなければ、という会社の
方針で、東宝系の映画・演劇はよく見に行かされたらしい。
素敵にまっとうな社員教育だなあ。

by byogakudo | 2008-03-07 19:57 | 雑録 | Comments(0)


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