2008年 07月 16日
通勤時間が往復4時間余り、とは言え、すごい読書量。たしかに1冊 だけでは、もし退屈だったりしたら困るから数冊持参する必要があるが、 それにしてもすごい。 古本屋の数倍、忙しそうなエロ漫画編集をこなしつつ、仕事が早く 終われば事務所でも読書、帰りの電車でも読書。体力がうらやましい。 こちらは閑疲れで、帰るとまずソファに横になる。そして読み出すから、 そこは同じなのか。 ひたすら読み続ける態度がすてきで、森茉莉も読む。 < 帰りの上信電車で、『ベスト・オブ・ドッキリチャンネル』 (森茉莉・ちくま文庫・本体718円)読了。嫌な女。團伊玖磨の 俗物振りを罵倒するくだりがあるが、天にツバするたぁこの事。 他人の親の七光りにゃ青筋立てて、自分にゃ大甘のベッタベタ。 (永井荷風に原稿の持ち込みするくだり等) 所々面白い描写もあるが、その"フランス馬鹿振り"の悪臭に 耐える労力と秤にかけりゃ、鼻糞と漬け物石。ただ、人間はクズ でも面白い小説書く奴はいくらでも。買ってある『甘い蜜の部屋』 (ちくま文庫)も、そのうち読んでみるか。[略]>(p181) 読み続けた結果は、 <『私の美の世界』(森茉莉・新潮文庫'84)に。この婆さんは顔と、 『ドッキリチャンネル』のセンスが大嫌いだったが、冊数を重ねる度に 好みに。[略]>(p281) 1998年9月に嫌悪し、2002年11月には好きになる。とらわれない 態度で本を読むからだろう。 p283(2003年1月)、女性漫画家が稿料が安いからと、手抜きした 絵を送ってくる。それを評して、 < ここらのセコさ、女性店主の古本屋の根付けを連想させるが[略]> 笑った。 「東京の暴れん坊」が読みたい。 単行本『嫌われ者の記 エロ漫画業界凶悪編集者血闘ファイル』 (一水社 99年)と、同書刊行後連載分からのセレクションが、本書。 (ちくま文庫 06再帯)
by byogakudo
| 2008-07-16 15:43
| 森茉莉
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