2008年 07月 31日
「不思議なミッキー・フィン」はパリのアメリカ人の物語、 こちら「林芙美子 巴里の恋__巴里の小遣ひ帳 一九三二年の日記 夫への手紙」(今川英子編 中公文庫 04初帯)は、同時代・1932年 頃のパリの日本人の話である。 「放浪記」の印税でヨーロッパに渡った林芙美子の日記や手紙が 収録されている。1931年11月23日から、帰国後・1932年10月31日 までの記録だ。 1) 「巴里の小遣ひ帳」は日本から持って行ったらしい黒革の手帳に 支出やメモが書かれている。パリに着いて16日目に地下鉄の回数券 (7フラン)を買い、35日目にバスの回数券<カルネ (オートビース) 6フラン>(p45)を買っている。慣れてきたのだろう。 ただ、着くなりホームシックなのか、内外の日本人友だち・家族へ 手紙ばかり書いている印象があるが、小説を書く前のウォーミング アップでもあろうか。 2) 「一九三二年の日記」は31年12月22日に購入したAu Bon Marche 製の育児日記に書かれている。パリの各百貨店が年末、一斉に売り出す きれいな家計簿や育児日記を、日記帳として用いている。 06年3月5日付け当ブログ「Au Printemps PARIS 1937」(及び翌日)に、 土木工学士の男性が(おそらく前年にパリで買った)Au Printemps製 家計簿を日記帳として使っていることを記したが、1930年代のパリに 滞在した日本人はみんな、百貨店特製日記帳を使うのだろうか、博文館 当用日記の代りに? パリで林芙美子を知った森本六爾(考古学者)の日記が、芙美子の 日記の補遺として(p60~61 p64~65 p-68~70)紹介されているが、 彼の日記帳はLes Grands Magasins du Louvre製である。
by byogakudo
| 2008-07-31 11:02
| 読書ノート
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