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猫額洞の日々

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2008年 11月 11日

吉田健一「瓦礫の中」再(々?)読中

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 林芙美子は随筆よりも小説のひと、みたいだが、読み手がしみじみ
した心境にほど遠いので、なかなか進まない。合間に「瓦礫の中」
(吉田健一 中公文庫 77初)を入れて読もうとしたら、こちらをメインに
読むことになった。
 これも、しみじみした部分がなくもないが、ベースが喜劇風味の
文明批評小説なので、落ちついて読める。

 「絵空ごと」について書いたとき、注釈なしで出て来る詩や外国語の
説明が欲しいと記した。
 「瓦礫の中」は、作者が自在に顔を出して、焼け跡や占領時代の
説明をしながらストーリー展開して行く作りであるが、
< この三人が話をしていると出典のようなものは一切抜きでやるから
こっちは付いて行くのに骨が折れる。併しいいではないか。どうせ
酒飲みのざれ言である。>(p38)
 と、開き直られては、諦めるしかないか。

 ところで久しぶりに美咲歌芽句がブログを更新。彼女の新しい長詩が
載っていた。シネセゾン渋谷で朗読した詩かしら?
「目覚め」というタイトルです。
 (もしここ↑で上手く飛ばないときは、上の芽句ブログ11月10日付けで
お試し下さい。)

by byogakudo | 2008-11-11 16:59 | 読書ノート | Comments(0)


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