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猫額洞の日々

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2008年 11月 20日

秋去りならば

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 連日「ハリーの災難」日和。冬の近さを感じさせる空気の
冷たさで、店内はすでに真冬に達した。昼に暖房を入れて
夜帰るころ、やっと店が暖まる季節の到来である。
 風邪を引かないよう、緊張して店にいる。いるだけで疲れる。

 久しぶりにお師匠さんがいらっしゃる。お仕事からの完全引退が
なかなかできないお師匠さんだが、ようやく一段落されたらしく、
寛いでご機嫌がよい。
 江戸川乱歩「人間豹」が歌舞伎化された話から、乱歩人気の
息の長さの話になり、明智小五郎の私生活の謎をふたりで考えた。

 明智探偵は結婚したのに、奥さんはすぐサナトリウムに入って
しまい、以後の小説には出て来ない。小林・元少年・現青年を
助手としたまま、結婚以前と変らないライフスタイルであるのは、
なぜだろう。
 夫婦探偵だとクリスティ式の冒険ものにするしかないから、
であろうか? 乱歩はゲイではなさそうだが、女にそれほど
興味がないから、なのだろうか。

 また明智小五郎の個性にしても、初期の貧乏書生から野々宮
アパートメントみたいなところに住むブルジョア・キャラクターに
変化するのはなぜか?
 お師匠さんの推測では、乱歩自身の環境変化が反映したもの
ではないか、ということだが、シリーズ・キャラクターとして明智
小五郎を創ったのではないので、結果的に少し人格変化した、
ということなのかしら。

by byogakudo | 2008-11-20 14:38 | 雑録 | Comments(0)


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