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猫額洞の日々

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2008年 12月 24日

まだ「マネキン人形殺害事件」を読んでいる

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 速読に悩んでいる筈が、いまだにS.A.ステーマン「マネキン
人形殺害事件」(角川文庫 76再帯)の半分強だ。
 それは何故? ひとえに疲れが溜まっているから。

 普段は夕食後、本を広げ、ベットに入っても読んでいるが、
このところの夕食後は、ひたすら茫然としている。
 お風呂に入らなきゃ、後片付けしなきゃという内に寝る時間
が来る。横になってしばらくすると泥のように眠りに落ちる。
 不本意な日々である。

 ステーマンはかなりシムノンを意識していたということだが、
この本でも、主人公の刑事がシムノンの「ニューファウンドランド
で逢おう」という小説の一節を思い出している(p131~132)。
これは翻訳されているのかしら。

 不思議なのは、いくらベルギー警察に所属する刑事とはいえ、
物語が半分強になっても、まだ地元の警察に顔を出していない
ことだ。

 休暇中に遭遇した出来事であり、人が殺されたのではなく、
旧家の死んだ息子の顔をモデルにした臘製マネキン人形が
ひどく破壊された事件(?)に犯罪の匂いを嗅ぎつけて、刑事は
捜査令状を取るべきかと思いながらも、聞き込みしている。

 探偵小説としての整合性よりノアール性を重んじている、
ということなんでしょう、たぶん。作者がせっかく暗い空気を
醸し出しているから、あまりその点は、つつかないでおこう。

by byogakudo | 2008-12-24 13:30 | 読書ノート | Comments(0)


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