2009年 01月 10日
click to enlarge. 2009年度初めての新着欄です。今年もよろしくお願いいたします。 新着欄 09年度 microjournal カレンダーも、店頭及びHP上で 販売中です。こちらもよろしく。 一昨日だったか、常盤新平「ニューヨークの女たち」(大和文庫84初) 読了。同時期に島野功緒「時代劇博物館2」(教養文庫 94初)も、 こちらは拾い読みしていた。伊藤大輔「御誂次郎吉格子」はヴィデオで 見られるらしいが、パセティックで好みに合いそうだ。 「ニューヨークの女たち」は、スージー・パーカーに捧げられた 短篇エッセイ集といってもよいだろう。 わたしが辛うじて名前と顔を(映画雑誌の記憶でもって)知っている くらいだから、スージー・パーカーと言われても、若い方にはピンと 来ないだろうが、1950~60年代のモデル出身の映画女優だ。 50年代という「アメリカの幸福な時代」を象徴するような、 スレンダーで都会的(都市ではない、都会が在った頃である)な、 著者によれば「ミス・ニューヨーカー」と称されるべき存在だ。 こざっぱりと、自分に合ったものだけ身につけ、化粧気がなく、 生き生きとして自意識過剰の正反対、それでも何故かはっと 人目を惹きつける、夢の少女みたいな若い女。 きれいなイメージだ。 著者・常盤新平の世代、敗戦時に中学生だった人々にとっての 「アメリカ」の原像は、おそらく、無垢できらきらして美しいアメリカ、 だったのではないだろうか。東西の冷戦期に子ども時代を過ごした 人間には抱き得ない、美と憧れの対象だったのではないかしら。
by byogakudo
| 2009-01-10 13:06
| 読書ノート
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