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スタージョンとコルタサルを交互に読む、ヘヴィ・スケジュールな
夜__どちらも頭が上がったまま眠ることになる__に少し疲れ、
獅子文六「舶来雑貨店」(愛翠書房 49初)で一休み。
敗戦直後なので紙質が悪いが、宮田重雄による挿画装幀の
とぼけたセンスで買った部分がある。戦前の白水社版は、どんな
ルックスだったのだろう。
「血と泥濘の事件」は、まるで「昼顔」みたいなブルジョア夫人の
事件である。結婚前から「メエゾン・ド・ランデブウ」に通い、
結婚後は夫の依頼で(!)通っていた女性が、夫をピストルで殺し、
自ら警察に電話する、1930年12月14日のことだ。
「昼顔」のヒントになった事件かしらと思ったが、ケッセルの
「昼顔」はその前年、1929年の発表だ。生活が作品を追った
のであろうか。