猫額洞の日々

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2005年 09月 16日

森茉莉さんとお茶を (2)

 「澁澤さんってケチなのよ、あのひと いろいろ面白いもの 持ってるのに、なかなか
出して見せてくれないんだもの」と、森茉莉さんは仰る。三島の話の流れで澁澤龍彦の
話になったのかしら? 
 
 もう古いできごとなので、思い出そうとしても埋もれてしまった記憶が殆どでは
ないかと危惧する。お目にかかったのは67年夏から71−72年にかけてのことだが
(一年に一度か二度、電話して 会って頂いていた)、思い出せるお話の順序は不同、
切れ切れの記憶である。

 三島由紀夫の生前の話題では、寺山修司=お馬鹿さん説があった。
 「寺山さんって(ほんとに)馬鹿なのよ。あたしが三島さんの出版記念パーティー(?)
のとき ふざけて、『御香典』を 悪いから 『御香殿』って書いて出したらさ、
『もっ、森さん、字っ、字がまちがってますよ』だって」。
 三島の死については、
「ほら、吉行さんたちみたいに バカ言えるお友だちがいなかったでしょ、三島さんは。
だからじゃないかと思うの」と。

 教えて頂いたのに「文芸」のバックイシューも探そうとしない怠け者のファン
なのに、何故会って下さっていたのか、いま振り返ると不思議だが、たぶん時間が
おありだったのと、わたしが聞き手として割と感じがよかったからではないかしらん。
 サインも色紙もせがまない、ただお目にかかって、お話を伺うのが好き、それだけの
ファンであった。だから あまり気を使わないで軽いお喋りをご自分でも愉しめる、
そういうことではなかったか?
 (全くひどいファンもあったもので、最初にお花を差上げただけで、あとはいつも
手ぶらでやって来ては、お茶とアラビカでのお夕飯をご馳走して頂いていた・・・。)
 
 お店に白百合出身のお客さまがいらっしゃるが、彼女によれば 学校に講演にきて
なさるお話は、何だかぼそぼそ話していらして、別に面白いとも感じなかった
そうだが、それはそうだろうと思う。森茉莉は座談の名手であって、決して講演向き
ではない。



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by byogakudo | 2005-09-16 21:06 | 森茉莉 | Comments(0)


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