1 2017年 04月 29日
![]() 写真は、(同行しなかった)お祖師様で。1960年ころの「モダン リビング」誌の表紙か、グラヴィア頁に使われていた写真みたいだ。 『第一部』『"かけ橋"としての人生』より(漢数字を洋数字に変更) __ < 1953年、私は日本で研究するために、フォード財団から奨学金を 獲得した。[略]松尾芭蕉について研究することにした。[略] 親しい日本の友人たちが[略]戦後の躍動的な日本文学に目を向ける ように仕向けてくれた[略]。 自分でも最初は気がつかなかったのだが、私は、専門家にしか興味の ない論文を書いて満足しているような学者から、世界の一地域の文化を、 世界の別の地域へとつなぐ"かけ橋"へと、徐々に変わっていった。 [略] 私は、私の本を読んでくれた人から、面白かったと手紙をもらうほど 嬉しいことはない。 [略] "かけ橋"としての私の経験は著書だけに限らない。私は日本でも アメリカでもしばしば講演を行ってきた。 [略]日本での私の講演は、日本の人たちに自分の国の文学のことを知って もらうだけでなく[略]、一人の外国人でさえも、いかに日本文学を愛する ことができるか、ということを聴衆に分かってもらいたいためなのだ。 [略] 他の国々で行なう講演は、[略]単に知識の伝達を目的としているのでは ない[略]。私をこんなに感動させ興奮させる日本文化について話すことに よって、聴衆に私の熱意を伝えたいのである。[略]三島由紀夫に関して話を したが、[略]この時は、私が聴衆にすっかりのせられてしまって、そして、 その時の私の話は、どんなに聴衆を感動させたことだろう。この時ほど、 教師であることと、"かけ橋"であることを嬉しく思ったことはない。> (p93-96) (講演、田辺製薬社内報『まるご』1989年10月号、川島啓助訳) 『第二部』『学者の苦労』では、 <日本の書物のほとんどに索引がないこと>を嘆く。 <日本で発行された学術書を何気なく手に取って、索引がないと知った 時に私が感じる怒りや憤りを日本の人たちに分かってもらえるのは いつの日だろうか、と何十年も感じて来た。 [略] 良い索引を作ることは面倒だろうが、未来の読者を念頭に置いて 必ず慣習化されなければならない課題だと私は声を大にして出版 各社に求めたい。索引がなかったために、その本の中に自分の知り たい情報があるかどうかと苛立ち、同じ本を再度、再々度、読まな ければならなかったことで、私の寿命は何年かは意味なく縮まったと 思う。 もう一つ現在でも残っている苦労は人名の読み方である。[略] 訳者はどうしても発音を知る必要がある。著者が発音を知らなくて、 すました顔で無視することもあろうが、分かっていてもルビをつけない ことがほとんどで[略]私にはこのような慣習は著者、編集者、出版社 といった業界の人間が読者を見下しているとしか思えないのである。 もう一つの苦労は漢詩の"翻訳"である。 [略]現在[略]漢詩、漢文が自由に読める日本人などいったいどれくらい いるだろうか。> (p184-186)(『新潮』2003年1月号) この本の巻末にはちゃんと索引がある。 無学な読者であるわたしの場合、日本の出版物への要望は、もっと 増える。 地名にもルビを。読みづらいだろうと、一度ルビした人名・地名は、 出てくる度にルビをつけてもらいたい。そうすれば一冊読み終わるころ には、読み方を忘れようにも忘れられなくなる。 さらに、簡単な漢字ほど、読み方が分からない。たとえば荷風の随筆 などに喫茶店が出てきて、"小体な家"とか書かれている。"いえ"なのか、 "うち"なのか、いつも悩む。 生活に即した身近な事柄や身ぶりや手順などの運動行為に、読み方 が分からないことが多い。これは母語だけでなく、外国語を習うときに 現れる困難、身体に即した行為や事柄の言い回しが分からないことと 似ているかしら? (ドナルド・キーン『私の大事な場所』 中公文庫 2010初 J) 6月28日に続く~ 呪 吐爛腐/呪 亜屁沈臓/呪 共謀罪=ネオ治安維持法/ <北朝鮮ミサイルだー!って、メトロ止めても原発再稼動は進めて くんだよね。 お花見や派閥パーティー終えて、安倍総理も岸田外相も 外遊してるけど、地下鉄止まると安心だね。 そうだ、稲田防相が日本で 留守番してるはずだから何の心配もないや(白目> (中野晃一 15:42 - 2017年4月28日 https://twitter.com/knakano1970/status/858089048794996736)
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by byogakudo
| 2017-04-29 21:38
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