猫額洞の日々

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2017年 08月 25日 ( 1 )


2017年 08月 25日

(1)大泉黒石『黄(ウォン)夫人の手 黒石怪奇物語集』を読み始める

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 まだ4篇読んだだけ。4作目の『不死身』はインターナショナル
な怪談だ。いきなり、
< 「私」と名乗る一人の芸術家があった。>(p69)と、始まる。

 その「私」なる芸術家が朝鮮に行き、400年生きている妓生・
李桂花の話を聞く。彼女はいまでも釈宗寺というお寺の墓地で
香華を売っているそうなので、会いに行く。
 という導入部から、李桂花との対話が記された「私」の日記に
なる。

 豊臣秀吉の朝鮮侵略時、李桂花は妓生だった。小西行長の陣屋
に切り込んだ金応瑞の部下、鄭甲の恋人だった。王朝が変わって、
ふたりは零落する。
 息子が生まれ、夫婦はその子の出世を夢見て生きようとする。
最低辺の肉体労働で口を糊したが、一年後、夫は倒れてしまう。
床に就いたきり起きられない。

< 「[略]様子を見ると夫の容態はひどく悪くなっていました。[略]
 その時、小さき家の周囲に起った鋭い叫び声は一体誰の咽喉から
 迸ったのでしょう! 窓の扉を掻き毟(むし)る[注:原文は手偏]音が
 聞えたのは何だったのでしょう!」
  と李桂花はその昔の恐ろしさに今一度出会うような怯える顔をした。
  「ああ! それはバンシーでしょう! 深夜家の窓に来て、獣皮の
 ような翼で扉を叩きながら、切れ切れな声で死ぬ人の名を呼ぶ悪霊
 です」
  「どうも左様らしいのでした。[略]」>(p75)

__朝鮮半島でも"バンシー"で通じるのかと思うが、あっさり通じる。

 夫の死後、彼女は男装して(息子にも母親が死んだことにして)、
昼は過酷な肉体労働、夜は女の姿に戻って商売をしながら息子を
育てる。その甲斐あって、18歳になった息子・鄭文は士太夫の試験に
合格する。
 息子は亡母のお墓に報告したいという。父親を演じていた李桂花は
父親が失踪したことにして自分は女に戻り、棺の中で舌を噛んで自殺を
試みたが、死に損なう。気絶しただけだった。

< 「[略]ちょうど妾が蘇生しようとする時、棺の外で、『アラ・アクバー』
 と呼ぶ声が聞えました。それは、神は偉大なりと云う言葉です。[略]」>
(p81)

 イスラム教が出てくるかと思えば、終わりの方で「私」は、彷徨える
ユダヤ人<『卑怯者のカタフイラス』[注:カルタフィルス]>(p83)
の話までする。
 不思議な作家だ。 


     (大泉黒石『黄(ウォン)夫人の手 黒石怪奇物語集』
     河出文庫 2013初 J)

8月28日に続く~




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by byogakudo | 2017-08-25 20:58 | 読書ノート | Comments(0)