猫額洞の日々

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2017年 12月 27日 ( 1 )


2017年 12月 27日

(2)都筑道夫『深夜倶楽部』読了

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~12月26日より続く

 第五話『首つり御門』では、フィクションの枠組み内外の出入り
が楽しめる。

 国文学の助教授が江戸後期の随筆集からの怪談を紹介する。
彼が最初に話したのは、三田村鳶魚『鼠璞(そはく)十種』に
あった話だが、

< 「[略]これからお話しするのは、馬の頭に彼等の等、雑誌の誌
 を書いて、『馬頭等誌(めずらし)』という随筆に出ているもので、
 これは復刻されておりません」>(p162)

という、いかにも在りそうな本を登場させる、始まり方だ。

 神田豊島町(としまちょう)に住む善助という飴細工屋が体験
した話ということで、

<神田の豊島町というのは、現在の千代田区東神田へんで、
 そちらにおいでの都筑道夫さんが、長年、書きつづけていらっ
 しゃる『なめくじ長屋捕物さわぎ』、あのセンセーやマメゾーの
 長屋の隣り町だ。浅草橋御門や、筋違御門(すじかいごもん)が
 近い。善助が住んでいるのは、柳原土手(やなぎわらどて)を背
 にした貧乏長屋だった。>(p162-163)

 たしかにあった筈の首つり死体が消える話が終ると、助教授と"私"
こと都筑道夫(これまた、フィクション上での都筑道夫という作家だ)
が、怪談論を交わす。

 助教授が、

< 「[略]ぼくがこうした随筆にひかれるのは、怪談としての近代性です。
 江戸後期の創作怪談は、小説でも、歌舞伎(かぶき)の脚本でも、講談
 でも、[略]因縁因果で、幽霊が現れて、古めかしさをまぬがれない。[略]
 これは長篇(ちょうへん)というスタイルから、やむをえざるところ、
 ともいえるでしょう」
 [略]
  「都筑さんは、明治以後の創作怪談では、岡本綺堂と内田百閒の作品を
 最高とされています。ぼくは泉鏡花も、くわえたいような気がしますが[略]」 
 [略]
  「ロマンティックな美しい短篇小説としては、高く評価します。[略]
 ぼくの尊敬する大作家が、『鏡花はいなかものだから、生きているうちから、
 幽霊のように、美しい芸者しか書けないが、綺堂の書く芸者や、遊芸師匠は、
 ちゃんと血がかよっている』という意味の批評をしている。[略]ぼくのいう
 近代怪談は、幻想小説とはちがうんです」
  「そうでしょうね。綺堂も百閒も、短篇作家です。近代怪談というのは、
 短篇小説だと思うんです。長くなればなるほど、ロマンティックな幻想物語
 か、血みどろのグラン・ギニョールにならざるをえない」
 [略]
  「江戸の随筆に見える怪談は、みんな、いわば短篇です。それだけに、
 びっくりするほど、モダーンな話がある。[略]」>(p181-182)

 そしてまた、『馬頭等誌(めずらし)』からの紹介という触れ込みで、もう
ひとつの消えた首つり死体の話をした後、怪談論議で終わる。


     (都筑道夫『深夜倶楽部』 徳間文庫 1992初 J)


(1)都筑道夫『深夜倶楽部』
(2)都筑道夫『深夜倶楽部』





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by byogakudo | 2017-12-27 20:37 | 読書ノート | Comments(0)