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猫額洞の日々

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2019年 07月 01日 ( 1 )


2019年 07月 01日

加藤周一『日本人とは何か』読了

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 2月に読んだ『言葉と戦車を見すえて』(ちくま文庫)と
ダブりもあるけれど、地下鉄で読むのに適度な薄さなので
再読兼初読。

 『朝日ジャーナル』1959年5月31日号に寄せた『日本の
芸術的風土 精神的開国と伝統継承』より__

<荷風の問題とは、ながい文化的伝統の背景なしに芸術が
 なりたち得るだろうかということである。
 [略]
  開国以来、あるいは少なくとも明治維新以来、二つの日本
 があった。京都の見事な家並みにあらわれている古い日本と、
 天にそびえる無線電信塔をいくつもたてる東京の新しい日本
 である。
 [略]
 古いものは、芸術の水準を、新しいものは、この国の技術を
 象徴しているようにみえる。
 [略]
 古くて美しい日本と、新しくて、ほとんど常に美しくない日本
 が重なりあい雑然として活気にみちた世界が、われわれの住む
 世界だ[略]。>(PP40-42)

 こういう日本の現状(書かれた1959年と、読んでいる2019年
とに本質的違いはない)に対して、画家たちが選んだ三つの態度を
加藤周一は示す。

<鉄斎(1836~1924)は一切新しい方を無視して、古い日本を
 足場とし、そうすることで堅固不抜の自分の世界を築いた。[略]
 明治以来、絵としての出来栄えの、彼の仕事に匹敵するものは、
 遺憾ながら他にないだろう。
 [略]
 佐伯祐三(1898~1928)は、一切の古いものを無視して、パリを
 足場とした。絵としての出来栄えは、ブラマンクに及ばないが、
 東京で油絵をかいてきた無数の油絵画家のなかでは抜群の一人
 だろう。しかし外国へ脱出する方法が、「日本の」絵の問題を解決
 しないことは、いうまでもない。
  油絵を使って「日本的なるもの」を描き、いわば二つの日本に橋
 をかけようとしたのは岸田劉生(1891~1929)である。
 [略]
 私がいいたいのは、岸田の日本での仕事(の少なくとも一部)が、
 日本画風の細い描線を使う藤田嗣治(1886~1968)のパリでの
 仕事を想出させるということである。
 [略]
 「日本的な」題材や技法を油絵に利用して、上手にこなすという
 ことが、二つの日本に橋をかけるということの最後の意味であろうか。
 [略]
  しかし岸田の時代には、多分、ほかに方法がなかったとはいえるだろう。
 新しい日本は、西洋につながれている。ところが西洋はあまりに遠かった
 からである。>(pp42-43)

 これは我身を振り返らせる。外国語ができなくて翻訳小説で人生の大半を
通し、アイドルやアイコンは白人のスターである、黄色人種・アジア人の
わたしは、どういう存在なのか。このどうしようもない偏愛はなぜなのか。

 合田佐和子の描くポートレイトは、ほとんどが白人のスターたち。女性作家の
コラージュに用いられる人物は、白人男女性、背景はいずことは特定されない
けれど、ヨーロッパ風であるのが大抵だ。文字があしらわれるときも、アルファ
ベット。

 日本人(の容姿)が用いられないのは、なぜなのか。自分のイメージを自由に
展開させたいとき、なぜ、白人の姿が選ばれるのか。

 小説なら、日本人が登場して、日本が舞台であっても読んで行ける(久生十蘭
や渡辺温であれば、無理なく読める)。
 日本人のスターが出る日本映画でも、好きな映画はある。森雅之とか岸田森
が出ていれば、とくに。
 けれども、日本人の姿が描かれる、日本の油絵に感じる違和感、あるいは、
日本人の写真家が白人を撮った写真集への違和感。
 それなのに、合田佐和子やコラージュには、これまで疑問を抱かなかった
ことを、あらためて考える。考えて、途方に暮れるが。


     (加藤周一『日本人とは何か』 講談社学術文庫 2006年45刷 J)





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by byogakudo | 2019-07-01 22:19 | 読書ノート | Comments(2)