猫額洞の日々

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2018年 11月 21日

こころみ(杉並区高円寺南2丁目53)

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 一週間ほど風邪っぽくて、ほとんど部屋にいたが、今日は出てみる。
いきなり地下鉄で東を目指すのはきついので、高円寺の方へ歩いて、
ひと休みして戻ろう。

 住宅地を歩いていると、生垣のあるお家。横半分や裏手は塀になって
いるが、洋館の窓が少し覗く。正面に廻ると、こころみという喫茶店。
 入口はガラガラ、ごめんくださいと入る、引き戸の玄関だ。たぶん靴を
脱いで入る喫茶店だろう。
 少し躊躇。だがステンドグラス風の窓が気になって、玄関のガラス戸
(写真・トップ)を引き開ける。

 赤みがかった茶の濃淡の小さな格子になっているタイルの三和土で靴
を脱ぎ、上がる。入口近く、ランチ中の方が二、三人。正面奥がキッチン
カウンター。
 わたしたちはカウンター右側、気になっていた窓の前の席に坐る。窓は
曇りガラスとダイヤガラスを組み合わせた、マッキントッシュを日本風に
アレンジしたようなデザインだった。

 コーヒーを頼むと、小さなガラス皿に乗せた、小さなミルクピッチャーと
お砂糖が2個、出された。ガラス皿は、むかし夏になると冷たい飲み物を
入れた器から露が落ちないように敷いたコップ敷だ。ヒヤシンス・ブルー
のガラスの縁に凹凸のカットが入り、底面には椿の花と葉がカットされて
いる。
 
 玄関を内側から見る(写真・上から二番目)。建具がすばらしい。入口と
奥の天井はどちらも格天井(写真・三番目)で、奥の部分は入口よりさらに
タッパがある。

 お店の方にいろいろお伺いする。
 ジャンル的には文化住宅と呼ばれるであろうこのお家は、1936(昭和11)
年に建てられた。戦火を免れ、3・11にも耐え、2年ほど前から喫茶店と
レンタルスペースとして活動を始めた。

 古い木造家屋の玄関や洋間(応接間)は、かつての趣きを壊さないよう、
細やかに改修され、キャフェになった。正面奥にしかキッチンが設けられ
ないので、残念ながら暖炉(炉に白いスケルトンのガスストーヴを入れる)
は、壊すしかない。暖炉の左右の壁に貼られた緑色のタイルも剥がさざる
を得ない。
 暖炉のタイルは道路に面したエントランスの案内板の土台になり、壁の
タイルはお庭の席の足元(写真・いちばん下)になった。

 古い建物は、使われないと傷む。使い続けなければ家の生命は保たない。
しかし使い続けるには、いつも手直しが必要だし、ガラスが割れるともう同じ
ものはないので、ステンドグラス風の窓の前には一枚ガラスが入り、嵌め殺し
になっている(窓枠の木の細工がシンプルで凝っているので額縁みたいだ)。
嵐の日を懸念して、窓の外側にもアクリル板が貼られた。
 そんな大変な思いをしながら、実家を活かし続ける。江戸東京たてもの園に
移築されるのでなく、建てられたままの地に在り続け、わたしたちが訪れること
のできる空間に変えられた。感謝したい。

 建具のひとつひとつ、飾られたドローンワークやレース編み、お手洗いのタイル
壁と網代編の天井、むかしから使っていた家具什器と集めたアンティークが、
しっくりなじみ、細部のすべてが見て味わう価値がある。

 二階も見せていただいたが、階段の踏面(ふみづら)の縁の窪みからして、
感動的な処理だ。
 二階は疊敷、二間。廊下には小さな椅子と卓が置かれ、床の間の脇には一段
高くなって、廊下から明りを採るガラス窓。廊下部分の天井は屋根の線に沿って、
斜め。

 冬の午後の陽射しと窓の外の風の音を思い出させる、なつかしい空間だ。床の間
の前に坐って上を見ると、天井と床の間の天井との間に境壁が下りている。そうだ、
子どものときにも見ていた部分だ。
 記憶は脳の中だけで起きるのではなく、身体ごと記憶するのだと実感する。


     


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# by byogakudo | 2018-11-21 22:32 | 雑録 | Comments(0)
2018年 11月 20日

(2)J・G・バラード/柳下毅一郎 監修『J・G・バラード短編全集5』1/4

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~11月19日より続く

 第三話『ユタ・ビーチの午後』(柳下毅一郎 訳)と、第五話
『モーテルの建築術』(中村融 訳)とは分身の物語だ。

 ユタ・ビーチに残されたトーチカの写真は、前にも紹介したが、
クリストファー・プリーストのサイト、One Afternoon(2017年
3月5日付け)に出ている。

 ありふれたメロドラマ(三角関係の物語)に、米軍のノルマンディー
上陸作戦の記憶とを重ね合わせる、なぞという腕は、やはり、J・G・
バラード。

 四十代後半の夫と十歳下の妻が出てくる。1978年に原作が発表
されているので、発表時を小説の現在時と見なすと、夫は1929年
から1933年ころの生まれ、妻は1939年から1943年生まれだろう
(余計な詮索だが、J・G・バラードは1930年生まれ)。
 夫婦をデモ飛行で連れて来て、そのまま彼らの借りている家に
同居する飛行機セールスマンは、Dデイのとき2歳というから、
1942年生まれ。
 三人は、米軍が上陸したノルマンディー地方、ユタ・ビーチの近くで
休暇中だ。
 夫がユタ・ビーチに残るトーチカを見つけたときから、表面上は穏やか
だった三人の関係が、"三角関係"へと加速する。若い男に妻を奪われそう
になる危機感が、夫の分身を発生させる。堡塁を死守せねばならない...。

 『ユタ・ビーチの午後』は、ときどき古本屋で見かける『アンティシ
ペイション』(サンリオSF文庫)に収められている。見かける度に、紙面
の黄ばみと文字の小ささに負けて、また棚に戻しているが、他の作品も、
どういう短篇が編集人・プリーストの元に送られてきたのか興味がある
ので、買うべきかなあ。目玉を治せばいいんだ。

 夫を裏切る妻の名前が"アンジェラ"、若い飛行家が"リチャード"なのは、
やはり意図的な命名なのか。そして、足を踏み入れた地域にアメリカ風の
名前をつける習慣があるらしいアメリカ人、あるいはアメリカという国家は、
名づけの持つ権力を、どれほど意識しているのか。

 『モーテルの建築術』は、映画『サイコ』の分身譚だ。


     (J・G・バラード/柳下毅一郎 監修『J・G・バラード短編全集5
      近未来の神話』 東京創元社 2018初 帯 J)





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# by byogakudo | 2018-11-20 21:37 | 読書ノート | Comments(0)
2018年 11月 19日

(1)J・G・バラード/柳下毅一郎 監修『J・G・バラード短編全集5』にする

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 どうも『ロッパ随筆 苦笑風呂』に入りにくいので、一時停止。
重いので、いつ読もうかと待機させていた『J・G・バラード短編
全集5 近未来の神話』に替えた。

 第一話は、増田まもる 訳『交戦圏』。近未来のイギリスが極右
と極左の内戦状態になり、アメリカが極右の側につき、さらに
泥沼化する。
 ヴェトナム戦争がイギリスで展開したら、という発想であり、
もし内戦が始まったら、
<それはきっとTVドキュメンタリーの形で放映されるにちがいない>
(p7上段)。

 ドキュメンタリックな本文に記述される発言は、ウェストモー
ランド大将やグエン・カオ・キ副大統領などの実際の言葉がパッチ
ワークされている。
 1977年に発表されたが、2018年現在、世界中で、戦火こそ交え
ないでも、心理的な内戦は始まっている。


     (J・G・バラード/柳下毅一郎 監修『J・G・バラード短編全集5
      近未来の神話』 東京創元社 2018初 帯 J)

11月20日に続く~





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# by byogakudo | 2018-11-19 15:01 | 読書ノート | Comments(2)
2018年 11月 18日

古川緑波『ロッパ随筆 苦笑風呂』をパラパラ

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 今日の写真が、10月26日に逢ったアカトラさん。跳ね回っては、
あ、知らないひともいると思い出して、逃げ腰になる。

 古川緑波の『あとがき』によると、ほとんどが敗戦後に書いた、
<いわゆる雑文>(P206)に、戦前の『馬脚綺譚』を加えた一冊。
 順不同にパラパラめくって、少し読んだ。

 (うーん、こういう本は、やはりボロボロになった、ほんとの
古本で読んだ方が気分がノる。せっかく文庫化してくれたのに、
なんて恩知らずなことを思うのだろう。)

 『文芸時評』に収められた、当時の作家とその新作に対する
批評文について矢野誠一は、巻末の『解説 「まけず嫌ひの意地
ッぱり」面目躍如』で、下記のように記す。

<持前の批評精神を存分に発揮した「文芸時評」は、ロッパの
 ペダンティズムとあいまって、文筆家ロッパの色彩が単純に、
 それも濃密に出ている。役者として、ときにきびしい批判に
 さらされ、ときに過褒と思われる評価を得てきたロッパは、
 批評家に対し嫌悪と憧憬両面複雑な感情をいだいていたはずだ。
 そんな思いを一緒くたにした一流の文藝評論家気取りの筆致に、
 得意気な表情がうかがわれて面白く読めるのだ。>
(pp210-211) 


     (古川緑波『ロッパ随筆 苦笑風呂』 河出文庫 2015初 J)


 ガーディアン紙の桜田義孝・報道は、ほとんど、バナナ・リパブリックの
アホ大臣騒動を伝える、という筆致に感じられる。国辱記事だと怒る前に、
桜田義孝や安倍晋三の国辱性を問題にすべきだろう。

[同日追記:
 国会議員のことを英語で lawmaker というのを知って、何だかショック。
だって、自称/公称・民主主義国家の日本の、彼らが立法している現場、
あれを現場といってよいものだろうか? 株主総会のシャンシャン総会と
変わらない。論議は尽くされず、いざとなれば強行採決で立法する。]





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# by byogakudo | 2018-11-18 21:47 | 読書ノート | Comments(0)
2018年 11月 17日

小泉喜美子『弁護側の証人』再読・読了

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 2005年11月29日に書名を挙げているから、最初に読んだのは、
そのころだろう。
 ミステリ作家としての小泉喜美子に関しては、2005年当時の
感想のままだ。そのうち、『血の季節』も再読しようかしら。

 『弁護側の証人』は、欧米のミステリに深く影響され、自家
薬籠中の物とした作者による、スタイリッシュなサスペンスだ。
血と汗と涙と泥を遠ざけた、ブキッシュなミステリである。

 大金持ちの御曹司と身分違いの結婚をしたストリッパーの女性が
殺人事件に巻きこまれる。という粗筋だけ聞くと、メロドラマかと
思われそうだが、メロドラマだ。ただし、安甘くも悪甘くもない、
すっきりした線で描かれる。
 1963年の日本に身分違いの恋というメロドラマを成立させる
ために、ヒロインがストリッパー仲間・エダに書いた手紙の中に、
先行するミステリの名が挙げられる。

<家[注:夫・八島の生家]はF市を眼下に見おろす丘の上に建って
 いて、たいそうお金のかかった穴ぐら、という感じがします。
 [略]
 エダ、あなた、『レベッカ』読んだことある? 女主人公がはじめて
 夫のマクシミリアン・デ・ウィンターの館(やかた)へつれていかれる
 くだりをあなたが知っていてくれると、話は簡単なのだけれど。
 [略]
  デ・ウィンター夫人は今のわたしの境遇によく似ています。あの
 小説のところどころが、わたしたち夫婦に似かよっているのです。
  けれども、[略]八島はデ・ウィンター氏のようにゆううつ症に
 かかった中年の再婚者ではないし、うちの裏には死体を乗せた
 ヨットが沈んでいる美しい入江があるわけでもありません。>
(pp31-33『第一章 花婿』)

 キャンヴァスの下地を見せて、これはあくまでもフィクショナルな
枠組みのミステリなのだと、読者に密かに念を押す。
 松本清張流の、日本近代文学調、泥くささ・汗くささ信仰の社会派
ミステリではありませんよと、静かに宣言する。そして、そのまま、
さらりと、細かい襞やうねりを見せながら、エンディングに至る。
 ヒロインの職業がストリップティーザーであることと、読者を焦らし
ながら最後まで引っ張るサスペンス小説の技術とが重なり合う、という
言い方もできるだろう。
 いま読み直しても、すばらしいと思う。

 わがミステリのお師匠さんは、小泉喜美子は無理にミステリ作家に
ならずとも、ミステリや歌舞伎の批評家としてやって行けたのに、と
仰っていた。
 そのときは同意したけれど、しかし、小説家は失敗作をいくつ書こう
が、一作が残れば、読者はその一点で彼らを記憶に留める。
 しかるに批評家は、一作の不調や不備で、記憶されてしまう(どうも
フェアじゃない)。
 小泉喜美子は、クレイグ・ライスなどのすてきな翻訳をいくつも残し、
ミステリ作家としても、少なくとも2篇を残した。失敗作がなかったら、
この2篇も書かれなかったかもしれない。そう思うと、彼女がミステリ
作家であったことに感謝したい。


     (小泉喜美子『弁護側の証人』 集英社文庫 2009年5刷 J)


 お師匠さんは、小泉喜美子がまだ若くて売れっ子ではないころ、
お酒を奢ったことがある。
 酒場から「飲みに来ませんか?」と電話すると、女友だちと一緒に
喜々としてやってきたそうだ。小泉喜美子と、どこでどうやって知り
合ったのか、それを聞き忘れてしまったが、ご無沙汰しているので、
経緯は知らずじまいになりかねない。
 それはともかく、ひとを使って仕事をしていた、お師匠さんの社員
への訓示は、
 「酒を飲むときは一階か地下にある酒場で飲むこと」だった。
 「二階にあるバーの階段は傾斜が急です。一階や地下なら、酔っぱ
らっていてもそのまま、または上っていけます」。
 彼女は、この教訓を知らなかった。





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# by byogakudo | 2018-11-17 21:54 | 読書ノート | Comments(0)
2018年 11月 16日

ひとりしずか

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 サイト内検索したら、2017年9月20日に 数独・趣味が始まった
と書いている。
 そう書いてから、もう一年以上経っている! 今年は地球の自転
速度や公転速度が速まっているのだろうか、もうすぐ12月になる。
 年をとって持ち時間が減少すると体感時速が速くなるという、
反比例の法則でもあるのだろう、やたらと月日の流れが加速する。

 午後遅めに東高円寺の駅に向うと、小学生の下校時刻にぶつかる。
子どもの声の高さとヴォリューム・コントロールのなさに、いつも驚く。
 彼らの先には少なくとも数十年の未来時間が待っている。そう思った
瞬間、ご苦労さん、と思う。生まれてしまうと、なぜか生き続ける責任が
生じる...。

 小学生たちは大抵、ふたりか三人、連れだって喋りながら帰ってゆくが、
みんなの歩く舗道と反対側を、ひとり離れて進んでゆく女の子がいた。
 ふと、わたしも少なくとも12年間、学校に通っていたことを思い出す。
学校は楽しいところでも、退屈なところでもなく、なぜ毎日行かなくては
ならないかと疑問を抱くこともなく通っていたが、さすがに高校生くらいに
なると、毎日、同じ顔ぶれのいる同じ場所に出向くこと自体が窮屈に感じ
られるようになって(やっと自意識的になったのだろうか)、月に一回は
自主休校することにした。学校に行かなくて何をしているかといえば、
部屋で自習(!)しているだけだが、固定された一空間に固定メンバーで
坐っていることを回避できて、ほっとするのだった。
 集団でいることそのものが苦手なのに、よく12年も通った。えらいじゃ
ないかと、今さら誉めてやっても詮ないが。
 あのころは社会全体に、ゆるみやたるみや放置された空間があって、だから
集団行動嫌いでも息がつけたのだろう。いま、小学生や中学生だったとして、
わたしはやり過ごせるだろうか。自信がない。

 今週はあまり本も読まず、日課にしているはずのwebで英語を読むことも
せず、以前解けずに溜め込んでいた、やや難しい数独をやり続けていた。
 わたしの解法は、家宅捜索方式 と呼んでいるが、数字を入れるマス内に
入る可能性のある数字を全部書き込んでから検討してゆくので、ひとマス
の中の数字が小さくてしかも5、6個、書き込んだりしてあって、目に悪い、
ひどく疲れる。
 それなのに、むきになって、やり続ける。

 大昔、男友だちから、ジグソーパズルとかやればいいと言われたのを覚えて
いる。そのときは彼が何を言わんとしているのか理解できず、
 「そうお?」と生返事していたが、なるほど、こういうひとりでやる作業に
こそ、わたしの居場所が見つかる。





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# by byogakudo | 2018-11-16 22:20 | 雑録 | Comments(2)
2018年 11月 15日

(3)ジョゼフ・ウォンボー/小林宏明 訳『ハリウッド25時』読了

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~11月14日より続く

 原作"HOLLYWOOD STATION"は2006年、21世紀になってから
の刊行である。だから女性警官も女性刑事も活躍している。女だから
って性差別的に過保護に扱わないでくれと、彼女たちは凛々しい。

 乳児がいるので乳房が張って痛いとき、彼女は相棒の男性に断り、
トイレットで搾乳器を使って張りをとる。シャツのボタンを留めて
いると、警官が巻きこまれた銃撃戦の緊急通報が入り、大急ぎで
出動する。

 予算不足、人手不足なので、買春のおとり捜査員もやらされる。日系の
小柄な女性警官と白人の大柄な女性警官が割り当てられる。ひとりが凶暴
なポン引きの暴力に倒され、大けがを負って入院する。

 このシーンを書くとき、どちらを犠牲者にしようかと、作者は悩んだ
だろうか?
 警察自体が人種問題で、つねに悪評を立てられないよう気を遣っている
ことがテーマになっているのだが、作者は登場人物たちの配役に気を遣わ
ないでいられるだろうか?
 作者に対して意地悪な見方かもしれないが、ここは悩みどころではないか。
アジア系を被害者に当てたことで、批判は来なかったのかしら? 作中で何度
も犯人が黒人であった場合の逮捕方法・手段に神経を働かせるシーンが出てくる
けれど、おとり捜査での犠牲者役をアジア系に割り振ったことは、またしても
安易なマダム・バタフライ・コンプレックス、犠牲の精神に溢れた東洋女性像を
描き出すことになるかもしれないとは、作者は思わなかったのだろうか?

 目を犯罪者や犯罪の内容に向けると、出てくる事件は、とても近ごろ的である。
小児性愛、子どもの虐待、毎度ながらの薬物乱用、ロシアン・マフィア...。
 でも長篇全体の印象としては、70年代的・予定調和を感じる。いや、べつに
悪くもヘマでもなくてその反対、よく構成されたミステリだけれど、記述内で
納まっている感じが、物足りない、というか。
 よくできてはいるのだけれど。 

 犯罪者側に分類される、トロくて気のいい女性にもたらされた、当面の
ハッピー・エンディングは好きだ。70年代ならシェリー・デュヴァルが演り
そうな役柄。
 そう、このまますぐに映画化できそうな警察小説なのだ。


     (ジョゼフ・ウォンボー/小林宏明 訳『ハリウッド警察25時』
     HPB 2007初 帯 VJ)

(1)ジョゼフ・ウォンボー/小林宏明 訳『ハリウッド25時』
(2)ジョゼフ・ウォンボー/小林宏明 訳『ハリウッド25時』
(3)ジョゼフ・ウォンボー/小林宏明 訳『ハリウッド25時』





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# by byogakudo | 2018-11-15 21:38 | 読書ノート | Comments(0)
2018年 11月 14日

(2)ジョゼフ・ウォンボー/小林宏明 訳『ハリウッド警察25時』半分強

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~11月13日より続く

 登場人物表の"警官"と"刑事"とを一集団、"犯罪者"と、ジャンルは
違うが警察側ではない"路上の住人"を同じ集団とすると、この小説は
相反するふたつの方向に分かれる集団(共同体)の、ストリート上での
接触を記したもの、となる。

 前者は、いちおう主役格で大雑把にいう善玉、後者は悪役になるだろうが、
ヒトはそんなに簡単に分類されない。相対的に善良あるいは悪、である。
 普通のひと、一般人というのは存在しない。善良な面が生き方の大半を
占めている男が、或る瞬間、犯罪者になる。おとり捜査に引っかかって、
買春行為をしようとした場合などに。

 "警察一家"という言葉がある。彼らは、身を寄せ合って一塊になろうとする。
"犯罪者"や"路上の住人"たちが他者を信用せず、個々、独立した生き方を好む
のとは対象的である。
 "警察一家"の男女は、結婚相手も同じ職業集団の中から選びやすい。なぜ、
マフィアやトランプ・ファミリーみたいに内輪で親しむのか、身内しか信用
しないのか?
 わたしが思うに"警察一家"たちは、自分が国家という暴力装置の実行部隊で
あることに、心の奥底で肯定しきれないものを感じているから、ではないか。

 一般的なイメージでいうと、消防署員は明確に善良な存在である。燃える家の
中に飛びこんで、逃げ遅れた仔猫を助け出すような。
 逆に警察官は、暗い裏道で黒人男性を袋叩きにして殺すような人々、と見な
されやすい。

 このミステリでは、警察機構にしみついた暴力装置イメージに悩まされる
現場が縷々、記される。むしろ、メインプロットというべきかもしれない。
 人種偏見による暴力行為があった。全米的な抗議運動が起きた。以来、
それを防止するために、いろいろな措置がとられた。警察が犯罪者を監視
するように、警察官を監視する外部機関が設けられ、システムは整った。が、
すぐにシステムの形骸化・硬直化が発生する。
 消防隊員なら焔に向けて即座に放水できるだろうが、警察官は相手からの
暴力に応じたという形式が整わないと反撃できない。形式が成立した後で
なければ、警官による過剰な暴力行為として譴責されるからだ。
 むかしはもっと単純に正義の味方であり得たものを...。

 しかし、暴力装置・実行部隊であることを、きちんと認識して、それでも
誰かがドブ掃除しなければと諦めることで、"警察一家"のファミリー依存症
はかなり緩和されるのではないかと、わたしなぞは考えるけれど、それでは
エンタテインメントとしての警察小説にならないのかしら?
 

     (ジョゼフ・ウォンボー/小林宏明 訳『ハリウッド警察25時』
     HPB 2007初 帯 VJ)






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# by byogakudo | 2018-11-14 22:02 | 読書ノート | Comments(0)
2018年 11月 13日

(1)ジョゼフ・ウォンボー/小林宏明 訳『ハリウッド警察25時』1/4

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 昨日はコーヒーを買いに阿佐ヶ谷へ。阿佐ヶ谷といったら千章堂
駅から近い店は強いなあ(もちろん、それだけが理由ではないけど)。
 入口左手で久生十蘭『無月物語』(教養文庫)、中でジョゼフ・ウォン
ボー『ハリウッド警察25時』(HPB)、シンコー・ミュージック・ムック
『キース・リチャーズ』
__キース・リチャーズbotの、
<太陽がある。月がある。空気がある。そしてローリング・ストーンズ
がいる>、力強い。
<ビートルズがドアを開けたんだ。俺らはその開いたドアからやつらの
後に続いた>(7:36 - 2018年11月4日という自己認識もいい)__。

 いつもは歩かない、阿佐ヶ谷神明宮・裏手の道をとる。グレイトな
穂高書房、シャッターが下りたままになって久しい趣きの川村書店


 読者を楽しませようと、ハリウッド風俗をあれこれたっぷり詰めた、
ジョゼフ・ウォンボー『ハリウッド警察25時』である。

 昔ほどの賑わいではないグローマンズ・チャイニーズ・シアター前
だが、ひとつのキャラクターにつき何人もの着ぐるみを着た、エルモ
(セサミ・ストリート)やダース・ベイダー、バットマンたちが屯する。
観光客と一緒に写真に写り、数ドル稼ぐ、たいていはジャンキーたちだ
(p16上段)。

 パトロール中の警官二人が、
<ハリウッド・アンド・ハイランドの角近くでイチモツをさらけ出して
 いるダース・ベイダーがいる、というコンピュータの通報を受けた。
 [略]
 ハリウッド・ブルヴァードで古いシュウィン社製の三段ギアの自転車に
 乗っている黒ずくめの男を見つけた。しかし、グローマンズの付近を
 うろついているダース・ベイダーはひとりでないことがままあった。
 [略]
 このダース・ベイダーは、この晩黒いパンツの下に黒いタイツをはいて
 いなかった。[略]
 車から通報してきた人は、そのスター・トレック・ファンのはみ出した
 イチモツを目撃して、警察に通報したのだ。>(p40下段)

__"スター・ウォーズ"のつもりで、"スター・トレック"と書いてしまい、
そのまま気づかれず印刷されたのかな。

 TVの『刑事コジャック』シリーズは主人公だけでなく、サブの登場人物が
みんな好もしくて楽しかった。『ハリウッド警察25時』は、誰がメインと
いうわけでない群像劇だが、まだご贔屓が現れない。 
 扉裏の登場人物表のジャンル分けがおかしくて、"警官"枠が11名、"刑事"
枠4名、"犯罪者"枠4名、"路上の住人"枠3名、という大所帯なのだ。


     (ジョゼフ・ウォンボー/小林宏明 訳『ハリウッド警察25時』
     HPB 2007初 帯 VJ)

11月14日に続く~

 HPB巻末の新刊紹介ページを見ていたら、レックス・スタウト『手袋の
中の手』。読んでみたいな。

 あ、今日の写真は、11月7日(水)の下谷か根岸あたりです。





滅亡 亜屁沈臓/滅亡 汚池腐裏子/呪 共謀罪=ネオ治安維持法/滅亡 吐爛腐・
夷蛮禍/

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安保関連法(戦争法)に賛成した議員名


 共謀罪強行成立記念! 安倍政権の暴挙を忘れないために振り返る
「共謀罪トンデモ答弁・暴言録」


 【票を入れるな危険】日本会議所属の都議候補一覧

 小池百合子氏 日本会議“本流”から外れた愛国者

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 上記のPDF





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# by byogakudo | 2018-11-13 16:57 | 読書ノート | Comments(0)
2018年 11月 12日

浜町~やや人形町~富沢町~大小の伝馬町~岩本町('18/11/10)

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 おととい、10日・土曜日午後の散歩は、浜町から岩本町に北上する
コースをとった。S とわたしは、けっこう着込んでいて、わたしは大きめ
のスカーフ(? マフラー? 弁別できない)をふんわり肩にかけていた
ので、少し暑く感じる。半袖Tシャツも見かけたが、わたしたちにすれば、
基礎体温が高いのか、とんでもない体感のひとなのかという認識になり、
あちらから見れば、こちらは恐るべき寒がりに見えただろう。

 浜町に着き、浜町・藪そば を探すのが面倒で、目の先にあった 招福庵
というおそばやさんに入る。入口の天井近く、明かり取りのガラス窓に、
透明なのとダイヤガラスとが交互に嵌められている。腰羽目は板では
なくベージュの大理石風タイルが貼られ、茶系で統一された店内だ。

 日本橋人形町2-8、写真の 歯科 多和田 のある界隈、健在。ほんとに
きれいだ。
 
 人形町2-6、短い、細い飲食店街(美容院も並ぶ)で、鳩のカップルを
見る。もっぱら人形町のメインストリートを外して歩くが、週末の気配は、
ここらでも感じる。
 しかし、人形町はメインストリートでも疲れない町である。東京でいちばん
落ち着ける繁華街ではないかしら。銀座など、京橋や新富町寄りでないと、
なんかもう、田舎くさくなっている。

 大きな道は大門通りというのか。初めて気がついた。何度も通っている
のに。

 あっ、日本橋富沢町8、以前はダイハツ等の看板も残っていた、木造2階
建て、健在。メダカの水槽も赤いメダカも元気。

 ハリオ本社は、この道筋だったのか。蚕食するように歩いてきたので、
ようやく少しずつ地図のフレームが広がり、隣接界が見えるようになる。
 (クリストファー・プリースト『隣接界』、文庫化されないかなあ?!)

 日本橋大伝馬町13、5階建てにペントハウスが載っかる、近代建築。
大伝馬町9、クリニックの看板が両脇にかかるビル。どちらの看板も
フォントが古風に立派。

 さて、岩本町2-6は、かわいらしい お玉が池跡である。岩本町駅近くの
ヴェローチェで休憩。
 1時に部屋を出て5時に戻ってきて、散歩終了。





滅亡 亜屁沈臓/滅亡 汚池腐裏子/呪 共謀罪=ネオ治安維持法/滅亡 吐爛腐・
夷蛮禍/

 安保関連法(こと戦争法)の本会議投票行動(PDF)東京都の
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# by byogakudo | 2018-11-12 14:11 | 雑録 | Comments(0)