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猫額洞の日々

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<   2018年 11月 ( 29 )   > この月の画像一覧


2018年 11月 30日

(1)トビアス・ルター/沼崎敦子 訳『ヒーローズ ベルリン時代のデヴィッド・ボウイ』1/4

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 サブタイトル通り、ベルリン三部作がつくられた場所と人々とに
ついての記述であろうが、それ以前のボウイーの動きについても
略述される。第2章が終って、今、ベルリンへ赴こうとするところ、
イーノと一緒につくろうとしているところまで来た。

 第1章『地獄から来た男』からノートするとすれば__

 『ジギー・スターダスト』の原題が記されていて、わたしは初めて知った、
"The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars"
であることを! なんてことだ...。(p19)

 1972年のアメリカ・ツアーの客席には、トルーマン・カポーティ、
アンディ・ウォーホル、そして、アンソニー・パーキンスがいた。(p20)

 第2章『ボウイ教授のキャビネット THE CABINET OF PROFFESOR
BOWIE』によれば__

 クリストファー・イシャウッドとボウイーは1976年2月11日に会っている。

<ボウイはベルリンについてイシャウッドに詳細に尋ねた。イシャウッドは
 ボウイに当時のその街はめちゃくちゃ退屈だと断言した。「若きボウイよ」
 と彼は言った。「人々は僕が本当に素晴らしいフィクション作家だってこと
 を忘れちゃうんだよ」>(p64-65)

 クリストファー・イシャウッドも読んでないなあ。『ベルリンよ、さらば__
救いなき人々』、復刊希望。


     (トビアス・ルター/沼崎敦子 訳『ヒーローズ ベルリン時代の
     デヴィッド・ボウイ』 Pヴァイン/日販アイ・ピー・エス 2017初 帯 J)

12月2日に続く~





滅亡 亜屁沈臓/滅亡 汚池腐裏子/呪 共謀罪=ネオ治安維持法/滅亡 吐爛腐・
夷蛮禍/

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by byogakudo | 2018-11-30 15:13 | 読書ノート | Comments(0)
2018年 11月 29日

(3)J・G・バラード/柳下毅一郎 監修『J・G・バラード短編全集5』読了

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~11月20日より続く

 最終巻、第5巻は、1977年の増田まもる 訳『交戦圏』から
1996年の浅倉久志 訳『死の墜落』まで、24篇収録。
 もちろんバラードの短編集なのだが、徐々にバラードらしさが
薄まってゆくような、悪くないのだけれど、一種、もどかしさを
覚えるような。
 つい、きんきらした、けばけばしいタッチのバラードを求めて
しまうのがいけないのだろう。1977年というと長篇では『ハイ・
ライズ』が1975年、『夢幻会社』が1979年。他は__、後年の
バラードをちゃんと読んでないなあ。

 ポスト宇宙時代を描く、柳下毅一郎 訳の『太陽からの知らせ』と
『宇宙時代の記憶』、村上博基 訳『近未来の神話』。1981年から
82年の作品だ。
 時間と空間とは、じつはひとつの事象を異なる局面から見た場合の
名づけに過ぎないのではないかと思いついたりするが、何か、文章が
遅い感じがする。むかし、もっと速くなかったかしら? たんに、この
ゆるやかさに馴染めないのかもしれないが。

 なので__わあ、とうとう使ってしまった、接続詞"なので"__、
この巻でいちばん好きだったのが、中村融 訳『月の上を歩いた男』
(1985年)みたいな分身譚になる。

 リオデジャネイロに住むジャーナリストくずれの男が、ある日、キャフェ
で老人を見る。アメリカ人観光客に、あなたが宇宙飛行士かと聞かれて、
そうだと答え、記念撮影に応じて小銭を稼ぐ。
 老人、スクラントンは、アポロ計画に深く熱中して、自分もその一員
だったという妄想に取り憑かれている。
 最初は本物かと思われたが、ただの農薬散布機のパイロットだった
過去が暴露されてからは、むしろ観光地の名物、変人としての小さな
危うい名声を得て、それを糧に細々と生きる。職がない元ジャーナリスト
は、老人に共感し、ついには、彼の死後、二代目の"宇宙飛行士"を名乗って
生きるようになる。

 贋物の宇宙飛行士のさらに贋物。鏡の中で分身が増殖する。
 わたしが好きな要素で構成され、細かい点では、老人の住いがいい。

< まもなくルクソール・シネマの裏にある、スクラントンの質素な部屋
 に着いた。この小さな映画館は、コパカバーナ・アヴェニューのはずれ
 に位置し、むかしは流行っていたらしい。以前は物置だったふた部屋と、
 映写室の真上にあるオフィスがアパートメントとして貸しだされており、
 じめじめした非常階段を登ってそこにたどり着いた。>(p258上段)

 ベッドと洗面台でいっぱいになる狭さ。寝台に置かれた枕にはピロー
ケースではなく、タオルですらなく、悪臭を放つ粘液がしみついた新聞紙
が巻きつけてある。世紀末小説か!

 この短篇で(も)、老人スクラントンが病いのせいで、キャフェから戻る
のに時間がかかる。
< ルクソール・シネマまでの二、三百ヤードを踏破するのに三十分
 かかった。しかし、時間はすでに伸び縮みする次元となりつつあり>
(p261下段)
__他の小説にも、時間が伸びることで空間も拡大する事情が記される
けれど、身も蓋もないことをいうと、これは老人が足が遅くなってなかなか
目的地に着かない事情ではないかしら。


     (J・G・バラード/柳下毅一郎 監修『J・G・バラード短編全集5
      近未来の神話』 東京創元社 2018初 帯 J)

(1)J・G・バラード/柳下毅一郎 監修『J・G・バラード短編全集5』
(2)J・G・バラード/柳下毅一郎 監修『J・G・バラード短編全集5』
(3)J・G・バラード/柳下毅一郎 監修『J・G・バラード短編全集5』





滅亡 亜屁沈臓/滅亡 汚池腐裏子/呪 共謀罪=ネオ治安維持法/滅亡 吐爛腐・
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by byogakudo | 2018-11-29 21:45 | 読書ノート | Comments(0)
2018年 11月 28日

(2)J・G・バラードの寄道

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~11月22日より続く

 Chris Hall /JG Ballard: Relics of a red-hot mind と、
Will Self /Claire Walsh obituaryとを整理しよう。
 ひどく間違った読みはしていないと思うけれど、読み違いが
あったら教えてください。

 J・G・バラード:
 1930年11月15日~2009年4月19日(78歳)。
 妻・メアリー、1964年に急逝。

 Claire Walsh:
 1941年9月18日~2014年10月6日(73歳)。
編集者/パブリシスト。J・G・バラードのパートナー。

 妻や娘を殴るような父親の下、下層中流階級に生まれる。
 妊娠してグラマースクール中退(イギリスの学校制度が分らないが、
妊娠したので高校を中退するような感じ? 1950年代や60年代なら、
どこの国であれ白い目で見られる)。
 Michael Walshと結婚、1959~1962年。
 離婚後、娘・Jennyとボヘミアンな暮し。娘によれば、Claireは、
文学と音楽をLord Reithの番組から学んだそうだけれど、BBCの
ラジオ放送なのだろうか? 
 学校に行かなくても、学びたい意欲があれば、いくらでもそれは
可能だ。Claireは死の床にあっても、本と新聞とラジオとノートパソ
コンに囲まれていたし、美術史の博士号を目指していた。

 1967年、パーティでマイクル・ムアコックが、彼女をJ・G・バラード
に紹介した。
 娘・JennyとClaireは、週末や休日をバラードとその3人の子どもたち
と過ごし、平日は二人で、ロンドンのClaireの家に暮らす(Claireは生涯、
出版社や広告業界で働き続けた。ペンギン・ブックスの電話応対と受付
からキャリアが始まるのは、最初から本に関わりたかったのだろう)。

 1974年、いったん関係が壊れるが、1979年、再び結びつき、以後、
バラードの死まで安定したパートナーシップが続く。結婚はしない。
 娘・Jennyは、母はバラードにとって理想的な反響板だという。小説の
アイディアがバラードの口から奔出するとき、Claireは奔流から思考を
探り出す。熱心に情報を集め、バラードの想像力に供給する。
 2000年刊行の『スーパー・カンヌ』の舞台となるソフィア・アンティ
ポリスもClaireが見つけた。
 Claireは政治的にはラディカルだった。これはバラードの後年の作品の
社会性に影響しているのだろうか?

 2009年、バラード死去。2011年、British LibraryにJG Ballard archive
がつくられる。その3年後、Claire Walsh死去。


(1)J・G・バラードの寄道
(2)J・G・バラードの寄道


 日本でも作家の死後、公的機関がアーカイヴをつくるようになればいい
と思う。遺族が私的に原稿などを分類、保管して、後世の研究者に残す
ことは難しい。
 客観的な視点が分類作業には必要なのに、家族としての私的な思いが
邪魔をしそうだ。夫は/父は、ゲイではなかったと強調することがヘイトと
までは行かなくともゲイ差別になることに気づかなかったり、本の復刻時に、
前妻の影を排除しようと躍起になったり。
 (男性の)作家は、たしかに遺族にとっては夫であり父であるのだが、
あまりそこに執着すると、公的な存在である"作家"を、私的・個人的な
狭い領域に囲い込むことになり、作家の存在そのものも矮小化される、
前にも書いたような気がするけれど。





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by byogakudo | 2018-11-28 22:20 | 読書ノート | Comments(0)
2018年 11月 27日

岩本町~神田司町~内神田/Coffee House LOFT(2018/11/26)

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 昨日は失礼しました。出かけて帰ってきたら風邪気味で
書く元気がなくて。今朝、病院に行ったので、なんとかなる
予定。

 昨日は都営新宿線で岩本町下車、2:40pm。神田須田町
方面に出たら、いきなり、庄之助最中。どこに行くのか
分らない散歩なので、帰り道に寄るとかできない。ここで
買って歩く。

 神田司町2-14辺り、"たばこ・雑貨 野々村商店"の左脇、
きれいな袋小路。奥に"毛筆全般 株式会社誠洋社"の看板
がある、ひっそりした一郭だ。うつくしい。

 使いやすそうな神田まちかど図書館の前を過ぎて、神田司町
2-26辺り、看板に"仮店舗 村越酒店"と記された木造モルタル、
3階建てくらいの高さのある建物。仮店舗になってからも長い
時間が経ち、看板が錆びている。東にはまだ東京が残っている。

 通りを渡ると飲食店が増え、だんだん賑やかになる。内神田3丁目、
佐竹稲荷神社。下町だ。

 竜閑橋という交差点辺りに、喫茶店が見える。たぶん、わたしたちが
好きそうな感じ。

 店の周囲に鳩が屯している。鳩は人慣れしているものだが、珍しく、
すぐに飛び立たない雀に逢った。ひとが近づいても、店の前の小さな
植込みから舗道の植栽に移っただけ。

 店内は細長いが、幅もゆったり、奥行きもたっぷり。入って左側の窓辺に
ふたり掛けの席があるが、ドアと窓との間の壁面が直角ではなく、丸みを
もたせてある。ちょっとごつごつした壁なので、洞窟めいた味わいもある。
 窓ガラスの両脇が縦に緑色に塗られて(?)いて、外光が抑えられている
から、洞窟を思い出すのかもしれない。

 落ち着ける喫茶店といえば、下谷/Coffee ヤマ、新日本橋/ラフレッサ、
銀座1丁目/ミモザ、そしてここ、内神田/Coffee House LOFTを発見。
 ミモザは土曜日、開いているが、他は土日祝日・休だ。

[同日追記:
 これらの、町なかで長く続く喫茶店は、町の古本屋の在りようと
似ている。ある程度の歳月を経た樹木にも似ている。
 真直ぐに聳える樹木は少ない。吹く風の向きや、毎日の陽射し
や雨の降り方、それらによって木の形が少しずつ決定される。
 ほとんどが一代限りの町の古本屋も、一本の樹木と同じような、
たたずまいを見せる。彼が意志して決めた本やものの配置が、
いつか彼自身の自画像にも見えることがある。
 同じように、これらの町の喫茶店も、彼らの肖像画を描き、
わたしたちはそれに惹かれるのか。]


 5pmころ戻ってきたが、そのときは、ややふらついていた。一昨日から
ときどき咳き込んでいたのが、本格化したのだろう。おとなしくしていろ、
という身体からのアピールだ。





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by byogakudo | 2018-11-27 20:40 | 雑録 | Comments(2)
2018年 11月 25日

新御徒町~旧下谷小学校~佐竹商店街(2018/11/24)

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 東に行くときはなぜか曇り日。昨日も新御徒町、大村庵で昼食後、
下谷方向に歩く。東上野と呼ばれる一帯は、いつ来てもうつくしい。

 coffeeヤマは土曜日だからお休み。そうなるとROOT BOOKSだ。
歩いていると何となく着くけれど、口で行き方を説明しろと言われると
困る。旧下谷小学校の方に歩いて行く途中の、とある角が目に入ると、
右に曲ってROOT BOOKS、というだけ(左に進むと、ある日、猫が
いた駐車スペースで、この日もまた覗いてみる。いなかった)。
 ROOT BOOKSが混んでいるみたいだし、まだ歩き足りないので、
さらに界隈をぶらつく。銀座線の車庫や、その付近。

 三味線屋さんがあった。たしか、竹うち三味線店。通りすがりに店内
の様子が一瞬見えた。上がり框に女性客が横向きに腰かけ、店主らしい
男性がその前に坐って応対している。ご主人の坐る形の決まってること! 
 ぴたっと膝に手を置き、ほぼまっすぐ(だが少し前乗り気味)に、客に
向って耳を傾けている姿勢のよさ。
 これが着物姿ではなく、セーター(?)とズボンでいるときに成された
身体の表情だ。一朝一夕ででき上がった形ではない。すごいなあ。
 さっきweb検索したら、竹内康雄 伝統工芸職人というページがあった。
そう、この方。

 ROOT BOOKSに戻り、席があった。休日なので満員だ。相席もある。
 本棚を見る。山田宏一『日本映画について私が学んだ二、三の事柄
〈1〉 映画的な、あまりに映画的な』(ワイズ出版映画文庫)があった。
心惹かれるが買わなかった。『新聞王ジラルダン』(ちくま文庫)も買い
たいし__さっき通信販売で頼んでしまった。

 ひと休みして、旧下谷小学校を一周。なぜ、晴れていない? 影が撮れ
ないじゃないか。

 新御徒町、佐竹商店街に戻り、佐藤精肉店。前日(23日・金曜日)に
続いて長歩きしたので、よく晴れた今日(25日・日曜日)は、ちょっと
高円寺に行ったくらい。逆ならよかったのに。





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by byogakudo | 2018-11-25 20:38 | 雑録 | Comments(0)
2018年 11月 24日

鹿島茂『かの悪名高き 十九世紀パリ怪人伝』読了

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 そういえば、むかし、鹿島茂『新聞王伝説__パリと世界を征服した男
ジラルダン』という本の新聞評を読んだような気がする。これはその続篇
になる企画だったらしいが、一冊になるまで時間がかかったと、『あとがき』
にある。
 (おっと、この文庫本『あとがき』では、"パリと世界を制服"になっている。
コンピュータで原稿をやり取りしてゲラをチェックしやすくなっても、ミスを
ゼロにするのは難しい。)

 ジラルダン以外の19世紀フランスの出版者とジャーナリズム事情が、
出版者の列伝形式で語られているのだが、ジラルダンについても名前しか
知らないので、ちょっと、当時の状況が浮かび上がらない。すいすい読める
文体で書かれているので、さっさと読み終わることはできるが、やはり、今から
でも遅くない、ちくま文庫になっている『新聞王ジラルダン』と合わせて読む
べきだろう。

 それでも19世紀のフランス、パリという大衆社会の始まりにあって、
出版者・各人が、どうやって成り上がっていったかという評伝は、現在の
インターネットが普及した社会の先触れを示し、のし上がるやり方の
基本形(システム)は、すでにこの頃できている、と理解させる。

 デパートや美術館や新聞・雑誌は、広く大衆に向けて開かれた。お金と
教育のある上流階級の知識人たちの間でだけ流通するモードではなく、
それらに憧れを持つことができるほどの余裕はできた中流以下の階層を
ターゲットにした、事業としてのジャーナリズムの側面が描かれる。

 強引な、詐欺師すれすれのやり方で社会的成功を収めるのは、20世紀末
から21世紀に於いても大して変わらないだろう。何年も赤字だったけれど、
アマゾンが世界を支配するのを見越して、出資し続けた投資者たちがいた
のだし。
 低価格で大規模に大衆の欲望を捕まえるのが資本主義のコツ(?)かしら。

 『情報の王様 アヴァス』に、鹿島茂の感受性形成史が綴られる。ここが
好きだ。

 羽田空港へ見学に行ったとき、

<小学三年生だった私の目は「まだ見ぬ世界への夢に輝き」、あきらかに
 「世界を所有していた」。>
 鹿島茂は1949年生まれだ。

<情報社会に突入する以前のこの時代[注:1959年]においても、外国に
 ついての情報は様々な形で日本の小学生のもとにも届いていた。たとえば、
 テレビ放送が開始されて間もなくブラウン管に登場したアメリカの青春番組、
 町の映画館にかかる外国映画、そして、新聞の片隅に載る外伝という名の記事。
 特に、まだテレビを買う余裕もなく、[略]下層中産階級の家庭に育った私に
 とって、新聞は唯一の知識源だったから、[略]隅から隅までよく読んだ。
 なかでも、UPI、AFP、ロイターなど外国通信社の送信してくる記事は、たとえ
 内容が理解できなくとも、そこに登場する土地の名だけでも、外国の香りが
 漂ってくるような気がして妙に好きだった。この外電記事の外国の土地の名と、
 不二家のフランス・キャラメルの箱に描かれたエッフェル塔、そして少女漫画
 雑誌に連載されていたゴシック・ロマン風少女漫画などが頭の中で渾然一体
 となり、私の「外国という世界」を形成していた。>(pp66-67)


     (鹿島茂『かの悪名高き 十九世紀パリ怪人伝』 小学館文庫 2000初 J)





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by byogakudo | 2018-11-24 23:35 | 読書ノート | Comments(0)
2018年 11月 23日

座・高円寺~アバッキオ~アニマル洋子

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 今日もやや遅く、3pmちょっと前に部屋を出た。空気がぴりっと
冷たい。
 中野と高円寺の境目を歩いて、環七を越える。休日だからBECK'S
は混んでいるだろうと思いながら座・高円寺に差しかかる。2階の
キャフェ アンリ・ファーブル(henri fabre)の看板が出ていたので、
ここを試してみよう。

 三階まで続く吹抜けの二階部分がキャフェ。階段を上がってすぐの
壁際には予備の赤い椅子が並び、その先は子ども向け絵本の棚だ。
 小さな子どもを連れた若い女性が多い。子どもと一緒に気軽に来ら
れる店は、町には絶対、必要だ。
 コーヒーが250円という感動的な値段なのは、レシートに記される
ように、"NPO法人劇場創造ネットワーク"経営だからだろう。"座・
高円寺"の正式名称が"杉並区立杉並芸術会館"というのを初めて知った。

 黒と灰色と赤で統一された空間に、小さな音でポピュラーなジャズが
流れ、いくつも開いた円形の明かり採り窓は外光を和らげる。小型の
グランドピアノと半円形の小さなステージ。EP-4本体は増殖系だから
無理だが、unitPくらいならプレイできる広さだ。演りませんか?!

 居心地がよくて、ただ、ぼうっと坐っていた。むかし、サンプラザの
大階段を上がったところに在った喫茶スペースを思い出す。あれも公共
施設の中のキャフェだ。
 個人の自助努力を称揚して結果的に自己責任を押しつける、のでは
なく、正しい税金の使い方も誉めよう。

 お昼を食べてなかったので、早いけれど安直・夕飯を食べたら、
わたしは俄然、元気になり、アバッキオへ行こうよ、と言い出す。

 混雑した庚申通りをすいすい進み、暗くなると見えづらくなる
ミントグリーンの看板を確認して路地の奥へ右折、すらりとドアを
開けたら、店主氏が出ようとするところ。
 グレアム・グリーン『喜劇役者』(早川書房/全日本ブッククラブ)と
ZEBRAのボールペン、Fortiaの緑色と紺色の軸、2本。去り際に鹿島茂
『かの悪名高き十九世紀パリ怪人伝』(小学館文庫)。

 パル商店街がクリスマス、イルミネーションで張り切っている。
 アーケードが切れるとルック商店街、こちらは静かになる。
 "アニマル洋子"が開いていて、あっ、小沼丹、『懐中時計』(講談社文芸
文庫)。部屋に戻ってから、あっ、持ってた、読んでる!





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by byogakudo | 2018-11-23 21:52 | 雑録 | Comments(2)
2018年 11月 22日

(1)J・G・バラードの寄道

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 『J・G・バラード短編全集5』を読んでいたら、クリストファー・
プリーストのサイトからJ・G・バラードの参照記事に飛べるページ

があったのを思い出した。
 J・G・バラードの遺稿がBritish libraryに収められたという記事だ。
これは読み残していた。読まなきゃ。

 えーと、J・G・バラードは生涯、ついにコンピュータを持たなかった! 
 タイプで打った原稿はあるけれど、最後の非デジタル遺稿・作家になる
のか。
 ぐちゃぐちゃ書込みのある原稿写真を見ていると、これがあの透明さの
追究みたような文章になる(といっても日本語訳でしか読んでない)のか。
 なんだか不思議な感じ。

 この記事を書いたChris Hallがいちばん喜んだのが、2006年から2008年
にかけて書かれた(けれど出版に至らなかった)メモ。5冊80ペンスのシール
が付いたままのノートに書かれた、とあるけれど、100円屋さんで売ってる、
3冊一束108円のノート、みたいなものだろうか?
 バラードは、そこに紙きれがあれば(そして筆記具を持っていたら)、
それが何を書いていた紙であろうと構わず、その瞬間考えた事柄を書き
留める質のようだ(プリーストへの手紙の封筒の裏にも、他者へ伝えよう
とするよりも自分自身へのためのメモが書き付けられていた)。

 で、J・G・バラード、アーカイヴに登場するClaire Walshという、
バラードの長年のパートナーについての記事もあるので、遅々とした速度で、
これも読まなくちゃ...。

11月28日に続く~





 来年秋には何が何でも消費税を10%に上げるらしいが、自民党の岸田文雄・
経済成長戦略本部・部長が今日、行政府の長・安倍晋三に消費者の負担軽減
策を提言した。

 クレジットカード使用で5%消費税にするようにという提言だけ、TVでは紹介
されていたが、昨日付けの「東京新聞」では、
<マイナンバーカードを持っている人に買い物などで使えるポイントを付与する
 ことも提言。>と、あったのだ。
 これは今日の提言中にあったのか省かれたのか?

 もし今日の提言中にあったのなら、どさくさに紛れて国民総背番号制度を普及
させようという、安手の陰謀を放っておくのか? 中小の商店がセキリュティに
責任を持てるのか? それ以前に、"マイナンバー"をクレジットカードの番号並に
扱おうという姿勢が駄目だ。根本的にまちがっている。
 これでも、自民党と安倍晋三・独裁政権にしか国政は任せられない、と信仰し
続けるのか? 


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by byogakudo | 2018-11-22 21:40 | 読書ノート | Comments(2)
2018年 11月 21日

こころみ(杉並区高円寺南2丁目53)

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 一週間ほど風邪っぽくて、ほとんど部屋にいたが、今日は出てみる。
いきなり地下鉄で東を目指すのはきついので、高円寺の方へ歩いて、
ひと休みして戻ろう。

 住宅地を歩いていると、生垣のあるお家。横半分や裏手は塀になって
いるが、洋館の窓が少し覗く。正面に廻ると、こころみという喫茶店。
 入口はガラガラ、ごめんくださいと入る、引き戸の玄関だ。たぶん靴を
脱いで入る喫茶店だろう。
 少し躊躇。だがステンドグラス風の窓が気になって、玄関のガラス戸
(写真・トップ)を引き開ける。

 赤みがかった茶の濃淡の小さな格子になっているタイルの三和土で靴
を脱ぎ、上がる。入口近く、ランチ中の方が二、三人。正面奥がキッチン
カウンター。
 わたしたちはカウンター右側、気になっていた窓の前の席に坐る。窓は
曇りガラスとダイヤガラスを組み合わせた、マッキントッシュを日本風に
アレンジしたようなデザインだった。

 コーヒーを頼むと、小さなガラス皿に乗せた、小さなミルクピッチャーと
お砂糖が2個、出された。ガラス皿は、むかし夏になると冷たい飲み物を
入れた器から露が落ちないように敷いたコップ敷だ。ヒヤシンス・ブルー
のガラスの縁に凹凸のカットが入り、底面には椿の花と葉がカットされて
いる。
 
 玄関を内側から見る(写真・上から二番目)。建具がすばらしい。入口と
奥の天井はどちらも格天井(写真・三番目)で、奥の部分は入口よりさらに
タッパがある。

 お店の方にいろいろお伺いする。
 ジャンル的には文化住宅と呼ばれるであろうこのお家は、1936(昭和11)
年に建てられた。戦火を免れ、3・11にも耐え、2年ほど前から喫茶店と
レンタルスペースとして活動を始めた。

 古い木造家屋の玄関や洋間(応接間)は、かつての趣きを壊さないよう、
細やかに改修され、キャフェになった。正面奥にしかキッチンが設けられ
ないので、残念ながら暖炉(炉に白いスケルトンのガスストーヴを入れる)
は、壊すしかない。暖炉の左右の壁に貼られた緑色のタイルも剥がさざる
を得ない。
 暖炉のタイルは道路に面したエントランスの案内板の土台になり、壁の
タイルはお庭の席の足元(写真・いちばん下)になった。

 古い建物は、使われないと傷む。使い続けなければ家の生命は保たない。
しかし使い続けるには、いつも手直しが必要だし、ガラスが割れるともう同じ
ものはないので、ステンドグラス風の窓の前には一枚ガラスが入り、嵌め殺し
になっている(窓枠の木の細工がシンプルで凝っているので額縁みたいだ)。
嵐の日を懸念して、窓の外側にもアクリル板が貼られた。
 そんな大変な思いをしながら、実家を活かし続ける。江戸東京たてもの園に
移築されるのでなく、建てられたままの地に在り続け、わたしたちが訪れること
のできる空間に変えられた。感謝したい。

 建具のひとつひとつ、飾られたドローンワークやレース編み、お手洗いのタイル
壁と網代編の天井、むかしから使っていた家具什器と集めたアンティークが、
しっくりなじみ、細部のすべてが見て味わう価値がある。

 二階も見せていただいたが、階段の踏面(ふみづら)の縁の窪みからして、
感動的な処理だ。
 二階は疊敷、二間。廊下には小さな椅子と卓が置かれ、床の間の脇には一段
高くなって、廊下から明りを採るガラス窓。廊下部分の天井は屋根の線に沿って、
斜め。

 冬の午後の陽射しと窓の外の風の音を思い出させる、なつかしい空間だ。床の間
の前に坐って上を見ると、天井と床の間の天井との間に境壁が下りている。そうだ、
子どものときにも見ていた部分だ。
 記憶は脳の中だけで起きるのではなく、身体ごと記憶するのだと実感する。


     


滅亡 亜屁沈臓/滅亡 汚池腐裏子/呪 共謀罪=ネオ治安維持法/滅亡 吐爛腐・
夷蛮禍/

 安保関連法(こと戦争法)の本会議投票行動(PDF)東京都の
安保関連法(戦争法)に賛成した議員名


 共謀罪強行成立記念! 安倍政権の暴挙を忘れないために振り返る
「共謀罪トンデモ答弁・暴言録」


 【票を入れるな危険】日本会議所属の都議候補一覧

 小池百合子氏 日本会議“本流”から外れた愛国者

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 上記のPDF





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by byogakudo | 2018-11-21 22:32 | 雑録 | Comments(2)
2018年 11月 20日

(2)J・G・バラード/柳下毅一郎 監修『J・G・バラード短編全集5』1/4

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~11月19日より続く

 第三話『ユタ・ビーチの午後』(柳下毅一郎 訳)と、第五話
『モーテルの建築術』(中村融 訳)とは分身の物語だ。

 ユタ・ビーチに残されたトーチカの写真は、前にも紹介したが、
クリストファー・プリーストのサイト、One Afternoon(2017年
3月5日付け)に出ている。

 ありふれたメロドラマ(三角関係の物語)に、米軍のノルマンディー
上陸作戦の記憶とを重ね合わせる、なぞという腕は、やはり、J・G・
バラード。

 四十代後半の夫と十歳下の妻が出てくる。1978年に原作が発表
されているので、発表時を小説の現在時と見なすと、夫は1929年
から1933年ころの生まれ、妻は1939年から1943年生まれだろう
(余計な詮索だが、J・G・バラードは1930年生まれ)。
 夫婦をデモ飛行で連れて来て、そのまま彼らの借りている家に
同居する飛行機セールスマンは、Dデイのとき2歳というから、
1942年生まれ。
 三人は、米軍が上陸したノルマンディー地方、ユタ・ビーチの近くで
休暇中だ。
 夫がユタ・ビーチに残るトーチカを見つけたときから、表面上は穏やか
だった三人の関係が、"三角関係"へと加速する。若い男に妻を奪われそう
になる危機感が、夫の分身を発生させる。堡塁を死守せねばならない...。

 『ユタ・ビーチの午後』は、ときどき古本屋で見かける『アンティシ
ペイション』(サンリオSF文庫)に収められている。見かける度に、紙面
の黄ばみと文字の小ささに負けて、また棚に戻しているが、他の作品も、
どういう短篇が編集人・プリーストの元に送られてきたのか興味がある
ので、買うべきかなあ。目玉を治せばいいんだ。

 夫を裏切る妻の名前が"アンジェラ"、若い飛行家が"リチャード"なのは、
やはり意図的な命名なのか。そして、足を踏み入れた地域にアメリカ風の
名前をつける習慣があるらしいアメリカ人、あるいはアメリカという国家は、
名づけの持つ権力を、どれほど意識しているのか。

 『モーテルの建築術』は、映画『サイコ』の分身譚だ。


     (J・G・バラード/柳下毅一郎 監修『J・G・バラード短編全集5
      近未来の神話』 東京創元社 2018初 帯 J)

11月29日に続く~





滅亡 亜屁沈臓/滅亡 汚池腐裏子/呪 共謀罪=ネオ治安維持法/滅亡 吐爛腐・
夷蛮禍/

 安保関連法(こと戦争法)の本会議投票行動(PDF)東京都の
安保関連法(戦争法)に賛成した議員名


 共謀罪強行成立記念! 安倍政権の暴挙を忘れないために振り返る
「共謀罪トンデモ答弁・暴言録」


 【票を入れるな危険】日本会議所属の都議候補一覧

 小池百合子氏 日本会議“本流”から外れた愛国者

 「共謀罪」法 衆参両院議員の投票行動

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by byogakudo | 2018-11-20 21:37 | 読書ノート | Comments(0)