猫額洞の日々

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2018年 12月 10日

むだなことが好き

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 一般的に不要不急視される、もの/ことが好きなので、だから
仕事にしても古本屋だったのだろうが、そういう無為の追究者
(?)であっても、必要に迫られる事態は多々現れる。
 そろそろとか、いつかそのうちにとか思っていると、あっという
間に、どうにもやらざるを得ない時期に来てしまって、そうなると
諦めて一気に片づけようとする。

 昨日は前回から2ヶ月目に近い美容院行きをこなし、寒い夕方、
短くなった、切り立て、洗い立ての髪で帰る。
 今日は8:30amに部屋を出た。10am過ぎに用事を終えたら、懸案
の(懸案にしてしまった)買物にまわる。そのすき間に散歩する。

 10:30amころなのか、中野から東中野まで歩く。陽が少し射して
きたが、冷たいことに変わりはない。東中野からJRで荻窪へ、ここ
で二カ所の買物を済ませ、またJRで中野へ、ここでも一カ所で買物。
やっと済んだ。
 あとは歩いて部屋に戻る、まだ12:40pm。

 陽が出ているから洗濯して干す。洗濯中に、今朝の用事の後始末や
買ってきたものを整理。ひと休みして3pmころ浴室の掃除、30分。
 4pm過ぎ、夕飯の買物に出る、すぐ陽が暮れる。
 iPhoneを見ると、最後の夕飯の買物時には持って出なかったのだが、
9795歩って出ている。そんなに歩いたかしら?

 早廻り買物のおかげで、Sもわたしもヨレヨレの靴下から解放されたの
であるが、必要な買物は、どうも散歩のついでに、ができなくてつまらない。
 いきなり冬になったからなのか、どこを歩いても外猫に逢わない。これも
さみしい。

 おとといの夜、叔母に電話した。最初は彼女の旅行の話をしていたが、
ある瞬間から、いまの戦争直前みたいな状況について話し出す。

 「焼夷弾が落ちて来るのを縁側で見ながら、防空壕に入ると、あそこは
湿気が多いから、爆弾が落ちたら蒸し焼きになりそうだし、どの方向に
逃げればいいだろうかって考えていたのよ、15歳だった」。

 叔母は、ひとは体験しないことは理解できないから、この戦争前夜みた
ような事態に反応するひとが少ないのじゃないかと考え、わたしは、でも
想像することは可能ではないかと言い、彼女は、いつでも政権交替できる
ような野党を育てて来なかった国民が悪いってことになると言い、わたしは
それでは一億総懺悔のパターンに入ると思い、ふたりの一致点は、
 「いま、安倍晋三とドナルド・トランプが死んだら、世界は穏やかになる
と思いませんか?」
 「そうなのよ」__12月8日の会話である。


民主主義の崩壊とはこういうことだ





滅亡 亜屁沈臓/滅亡 汚池腐裏子/呪 共謀罪=ネオ治安維持法/滅亡 吐爛腐・
夷蛮禍/

 安保関連法(こと戦争法)の本会議投票行動(PDF)東京都の
安保関連法(戦争法)に賛成した議員名


 共謀罪強行成立記念! 安倍政権の暴挙を忘れないために振り返る
「共謀罪トンデモ答弁・暴言録」


 【票を入れるな危険】日本会議所属の都議候補一覧

 小池百合子氏 日本会議“本流”から外れた愛国者

 「共謀罪」法 衆参両院議員の投票行動

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by byogakudo | 2018-12-10 21:10 | 雑録 | Comments(2)
2018年 12月 09日

(1)グレアム・グリーン/田中西二郎 訳『喜劇役者』1/2

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 半分くらい読んだのに、いまだ話の行く手が見えず、それでも
漫然と読んでいる。

 原作は1966年刊。グリーンは61、2歳。
 『ヒューマン・ファクター』や『ジュネーヴのドクター・フィッシャー
あるいは爆弾パーティ』や『キホーテ神父』はこの後の作品だから、年齢
のせいで、シャープなタッチで書けなくなったわけではなさそうだが、
なんだかピントがあまいような、それともわたしが呆けてるのか。

 主人公は60歳くらいのイギリス人、ハイチに観光客向けのホテルを持つ。
ハイチ行きの船中で、同じくらいの年齢のイギリス人や、菜食主義の普及に
情熱を傾けるアメリカ人夫婦(夫は政党に属さずに、大統領選に立候補した
ことがある)と知り合う。
 ハイチは政情不安である。ブードゥー教も盛んなようだし、黒めがねで顔を
隠す秘密警察が横行する。
 着くなり、アメリカ人夫妻の紹介状名宛人である大臣が、主人公のホテルの
プールで自殺している。もうひとりのイギリス人はなぜか逮捕され、留置されて
いる。主人公は人妻との逢引を再開しようとして、彼女の息子のおたふく風邪
に邪魔される。

 いろいろ、できごとは起きている。主人公の背景もカットバック的に記述されて
いる。それなのに、ストーリーは船上からほとんど進んでいないような感じ。
 何なのだろう?


     (グレアム・グリーン/田中西二郎 訳『喜劇役者』
     早川書房/全日本ブッククラブ 1970年BC版初 J)





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by byogakudo | 2018-12-09 22:12 | 読書ノート | Comments(0)
2018年 12月 08日

末広町界隈(2018/12/08)

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 やっと地下鉄に乗る元気が出たので、土曜日だけれど
新御徒町へ。

 大村庵の昼食後、3pmから佐竹商店街脇、末広町界隈を、
なめるように細かく歩く。路地の奥を見れば細い道筋が
いくつもある。全部は無理でも、ほぼ網羅するように歩いた。

 10月21日10月26日に歩いたところと重なっているが、
今日は末広町から先には行かない。
 ニコン氏に逢った台東3-22辺りも再訪、猫たちと高齢の女性に
逢った台東3-36辺りが美容院の前だったことを特定。

 新たに発見したのは、台東3-4辺りの五軒長屋式二階建て・
看板建築だろうか。向っていちばん右側の二階部分には、錆び
切った森永のエンゼルマークが張りついていて、気球(?)型の
軒看板が残っている、"マミーショップ"と読める。

 風がますます冷たくなってきたので、3:50pm、ドトール(台東
4丁目店)に入る。
 地下鉄で帰宅、5pm。すっかり暗くなっている。外に干していた
洗濯物も冷え固まっていた。





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by byogakudo | 2018-12-08 21:01 | 雑録 | Comments(2)
2018年 12月 07日

(2)鹿島茂『新聞王ジラルダン』読了

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~12月3日より続く

 ちゃんと読み終わったのだけど、さて困った。ジャーナリスト、
出版人の時代までは分ったが、その後、政治に関わるようになって
からのフランスの状況__七月革命から二月革命、ルイ・ナポレオン
=ナポレオン3世辺りの歴史__の知識があやしくて、ジラルダンの
動き方の評価がうまくできない。

 ジラルダンが言ってることはよく分るがしかし、彼が政界にうって
出ても、政治家として政策を実行できなかったのはなぜかという、
ここらの機微が分らない。
 たぶん、わたしも、ひとが行動するのは感情を動かされるから
であって、合理性に従ってではない、という事実が、どうにもよく
分らない体質だからではないかしら?

 ジラルダンは鄧小平と同じように(?)、イデオロギーにあまり頓着
しない。ひとは欲望を生きようとする生き物だから、そこさえ認められて
いればよくて、政治理念の精巧さには興味がなかったようである。実利的
なひとだ。

 彼が七月革命の後に出した新聞、"ジュルナル・デ・コネサンス・
ジュスティル(実用知識新聞)"は、鹿島茂によれば、
<"日本経済新聞"の十九世紀版>であり、その主張するところは__

<「究極の利益とは、社会全体が潤うことである」
 [略]
 「民衆が豊かになることこそが国富の基礎であり、民衆が悲惨な
 状態にあっては国もまた滅ぶ。もし、国の上層階級がこの経済の
 真理をよく心に刻んでおけば、法律で認められている以上に自己
 の特権を犠牲にするはずである。かならずしも労働者にたいする
 慈悲心からというのではなく、自らの利益のことを考えても、その
 ように振る舞うのが当然である』>
(p84『11 七月革命と"ジュルナル・デ・コネサンス・ジュスティル"
の創刊』『第1部 産業社会のナポレオン、ジラルダン』)

 つまり、大欲に駆られて目先の利益ばかり追究していると、まずいぜ、
という考え方である。資本家も労働者階級もどちらも利益を得るような
社会システムじゃないと、却って高くつくよと、わたしは要約したが、
そういう考え方のひとだと思う。

 安倍晋三やドナルド・トランプやその他、近ごろの政治屋全員に、よっく
聞かせてやりたい考え方なのだが、ジラルダンは演説が下手だし、出自は
私生児だったし、人心にアピールする部分がない。
 だからと、鹿島茂は、もしジラルダンと(ナポレオンの名のせいで国民に
人気があった)ルイ・ナポレオン=ナポレオン3世が手を組めていたら、どう
だっただろうと想像するのである。
 で、このルイ・ナポレオン=ナポレオン3世が、どういう人柄なのか、どうも
分らなくて、わたしは彼の想像するオルタナティヴな社会像が見えないので
あった。


     (鹿島茂『新聞王ジラルダン』 ちくま文庫 1997初 J)

(1)鹿島茂『新聞王ジラルダン』
(2)鹿島茂『新聞王ジラルダン』




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by byogakudo | 2018-12-07 20:55 | 読書ノート | Comments(0)
2018年 12月 06日

『Sudi写真展 The Life Of Things』へ(2018/12/05)

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 昨日はピクトリコショップ&ギャラリー表参道へ、
Sudi写真展 The Life Of Things』を観に行った。

 この前行ったのは、2015年10月21日。前回はカラー、
今回はモノクロームだ。カラーのときも濡れて輝く質感が
すてきだったが、モノクロームのしっとりした質感もうつく
しい。
 凛々しいリリシズム。

 Sは奥の方にあった、ノートブックの写真、わたしは入口近く、
椅子の座面のぬめりがセクシーな作品が好き。椅子の写真は
もっとたくさんあったけれど、減らしたのですと、Sudiさん。

 12月9日(日)まで、最終日は5pmまで。

     (『Sudi写真展 The Life Of Things』
     @ピクトリコショップ&ギャラリー表参道 2018/12/05)

 帰りは表参道の喧噪を避け、住宅地の中を歩く。写真のような
空地があったり、建設中の住宅があったりする。

 妙円寺の向かいのコンクリート住宅のヴォリュームや、その並びの
樹木の繁るお庭と住宅。神宮前3-31辺りの南欧風三階建て集合住宅と、
その向かいの鬱蒼とした樹木に覆われた、小さなひっそりしたお家。
 東京のかけら。





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by byogakudo | 2018-12-06 15:38 | アート | Comments(0)
2018年 12月 05日

鈴木創士氏のコラム『第105回 高取英さん追悼』

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 2018年12月5日付け・鈴木創士氏のコラムは、
第105回 高取英さん追悼』。

<「死は私の作品でなければならないのであるが、しかし
 この作品は私の彼方にあって、私が明らかにすることも、
 到達することもないあの私の部分であって、私はそれを
 支配してはいないのだ。(……)したがって死はわれわれ
 が満たしてやらねばならない窮乏であり、神の貧しさに
 似た本質的貧しさであるだろう……」 

 (モーリス・ブランショ『文学空間』)>





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by byogakudo | 2018-12-05 19:40 | 読書ノート | Comments(0)
2018年 12月 04日

過剰にリハビる

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 やっと、わたしの風邪引きが峠を越した、と思える。
11月半ば過ぎからSが10日ほど、続いてわたしが11月
末から10日ほど、風邪を引いていた。日常生活が辛い
ような酷い風邪ではない。夕飯の買い物に出ていた。
 重くはないけれど、すっきりせず、だらだらと不調が
続く、困った風邪だ。加齢ってことだろう。

 今日は暖かいということなので外に出たら、暑い部類だ!
ふたりとも何度かコートの下に着ているものを脱いだり着たり、
体温調節に努めたが、基本が着過ぎているので汗をかく。

 最近になってようやく、iPhoneの"ヘルスケア"アイコンを
開ければ、歩行数が出ているのを知った。買って使いだした
時点で(持主にひとこと断りもせず)、せっせと毎日の歩数を
カウントしてたのか。
 誰かのtwitterで、歩数とキロ数が出ているのを見て、自分
たちの(ふたりで一台)モバイルを開けてみるまで、そんなこと
になってるとは知らなかった。

 歩数と日付を照らし合わせると、東の東京に行ってるときより、
西の近場散歩のときの方が、多く歩いている。
 東では地下鉄に乗っている時間があるので、散歩するのは実質、
一時間くらい。
 西だと、散歩予定地まで歩いて行ったりするので、どうしても長く
歩く。

 部屋に戻って汗をかいた衣服を着替え、クールダウンしていたが、
風邪がぶり返さないようにと、そっと願う。





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by byogakudo | 2018-12-04 17:49 | 雑録 | Comments(2)
2018年 12月 03日

(1)鹿島茂『新聞王ジラルダン』1/4

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 とくに20世紀前半の歴史の堆積がモザイクされ、壁による分断の
せいで、さらにキメラと化したベルリンから、次は19世紀のパリに
来た(さらに、これを読み終わったら、『喜劇役者』で、20世紀
半ばのハイチやロンドンを見る予定)。

 エミール・ド・ジラルダン、1806-1881年。両親ともに既婚者
だった。裕福な私生児として生れ育つ。自伝風小説を出版すること
で、父方に圧力をかけ、強引に父方の姓の獲得に成功する。ペンの
力を知る。と、ここらは、わたしなりの要約。
 現在に続く、編集という思考方法・技術を確立したひと、のようだ。

<ジラルダンは、こういうものが欲しい、ああいうものがあったらいいと
 いう欲望を有形化することに誰よりも自分が長けていることを発見した
 のである。>(p40『6 ジャーナリズムの海へ』『第1部 産業社会の
ナポレオン、ジラルダン』)

 書籍は流通部数が少ないので、新聞や雑誌の形態にする。他の新聞
から記事を剽窃して組み合わせる、印刷費用等は後払い、予約講読費が
入ってから払う。このやり方で、最初の週間新聞、"ヴォルール(盗人)"
を発行。

 ジラルダン以前の新聞は、主義主張の発表の場だった。そういう新聞
全紙に"ヴォルール"創刊の宣伝を打ち、予約購読者・2500人を得る。

 党派別の政治新聞、文学新聞、演劇新聞、モード新聞、法廷新聞は
あったけれど、どれも年間・予約購読制なので、全部に目を通すことは
予算的にむずかしいが、
<「フランスおよび外国の諸新聞の週報、文学、科学、芸術、法廷、
 演劇の雑誌」という副題を持つ"ヴォルール"がそれぞれの新聞の
 なかの面白い記事を抜粋して編集し、一週間に一度ヴァラエティに
 富んだ記事を提供>(p45『7 ジャーナリストとしての「作品」第一号、
"ヴォルール"』『第1部』)

__1997年刊の文庫本によれば、これで年間購読料22フラン(2万2千円)、
お買い得。しかしこれらの記事内容は、今の新聞のフォーマットだし、
"抜粋"に注目すると、「リーダーズ・ダイジェスト」の先祖である。

 当初は"ヴォルール"の冒頭社説まで、各新聞からの"より抜き記事"で構成
されていた(p49『7』『第1部』)、とあるが、この姿勢は、おもにリツイート
から成るtwitterや引用記事満載のこのブログのようなものにまで、広く受け
継がれた伝統的な編集手法であり、思考方法じゃないか。

 ジラルダンは次に、モード新聞、"ラ・モード"を刊行。"ヴォルール"と同じく、
情報量の少ない地方在住の上流女性がターゲット、と思っていたら、

<"ラ・モード"の読者となったのは、意外にも、[略]流行の震源地たる
 パリのエレガントな女性やダンディーたちだった。>
(p58『8 モード新聞の革命"ラ・モード"』『第1部』)

 "ジュルナル・デ・ダーム・エ・デ・モード"という先行紙があった。
うつくしい銅版のモード画つきである。編集方針は、無色透明中立、
クチュリエから、こんなものが出されましたよと、提示するだけ。
 ジラルダンは、
<モードは従属ではなく創造であるという観点に立ち、読者として、クチュリエ
 の言いなりになる着せ替え人形ではなく、流行に則りながらも自らの積極的な
 意志でモードをつくりだす知性を持った女性というものを想定した。>
(p54『8』『第1部』)

 ジラルダンの片腕である協力者、ロトゥール=メズレーの編集姿勢を換言
するならば、"ジュルナル・デ・ダーム・エ・デ・モード"は、

<いわばモードのラング(言語)を教えるだけでランガージュ(言語運用)
 を教えない[略]。
 モードの本質とは、規範によりつついかにその規範から 逸脱するかに
 あるのだから、その逸脱のノウハウを読者に手ほどきするのがモード新聞
 の役割ということになる。[略]この微妙な勘どころは、読者自らが、文学や
 芸術に親しんでおのずから身につけるべきものである。したがって、新しい
 モード新聞は、モードのセンスと同時に知性と教養のエッセンスを読者に
 提供する任務を帯びていなければならない。>(pp55-56『8』『第1部』)
 
 しかし地方の女性たちはモードのアレンジよりも忠実なる模倣に安心を
見出すのだろうか、それとも慣れ親しんだメディアから離れたくないのか
(これらは、わたしの感想)、あまり受けなかった。むしろパリで、

<モードの最新情報を、そのモードをつくりだした当の本人たちが"ラ・
 モード"の中で確認し、そこに大きな喜びを見いだしたり、またこんどは
 人とは一味違う流行を創りだそうと頭をひねったりするという現象が生ま
 れたのである。[略]これらの生活芸術家たちもまた自分たちを映しだして
 くれる鏡を必要としていたのだ。>(pp58-60『9 "ラ・モード"、新しい
読者をつくり出す』『第1部』)

 見られることでの自己確認、今なら"インスタ映え"とか、"いいね"とか、
"フォロワー数"とか? うーむ。

<"ディスタンクシオン(差異性)"という概念は、まさにジラルダンとロトゥール
 =メズレーが"ラ・モード"のキー・ワードとして採用したものにほかならない。
 [略]
 ディスタンクシオンを生きがいとするエレガントな婦人や洒落者たちも自分
 たちの創造した流行が「活字やグラビアになって現れる」ことに至上のナルシ
 シズムを見いだす[略]
 極論すれば、流行にかんする活字と現実の相互反射的構造は、この"ラ・
 モード"の出現をもって誕生したと言っていい。>(p60『9』『第1部』)


     (鹿島茂『新聞王ジラルダン』 ちくま文庫 1997初 J)

12月7日に続く~





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by byogakudo | 2018-12-03 16:39 | 読書ノート | Comments(0)
2018年 12月 02日

(2)トビアス・ルター/沼崎敦子 訳『ヒーローズ ベルリン時代のデヴィッド・ボウイ』読了

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~11月30日より続く

 ベルリン三部作、『ロウ』『"ヒーローズ"』『ロジャー』、ことに
『ロウ』がどのような空間と時間の中でつくられたかという記述だ。
 それは、1976年から1978年にかけてのベルリンという空間に
於いてつくられた。

 まだ壁が厳然としてあった西ベルリン、シェーネベルク、ハウプト
通り155番のアパートにボウイーは住む。ごく普通の、どちらかと
いえば殺風景な建物だそうだが、日本の新建材・建売住宅街に比べ
れば、きっと、ほっと落着く、近代建築ではないかしら?

 『第4章 新しい街、新しい職 NEW CAREER, NEW TOWN』より
__

<ボウイは荒廃した公営住宅街の無個性な特質にも、帝国の威信
 の名残にも、同じように心を奪われた。
 [略]
 ボウイはあるものの勝利と、他のものの断罪の両方が、しばしば
 ベルリンの同じ通りに並んでいるのを見た。たとえば、かつては
 きらめいていた戦前の建物の壁と、最初から輝くことなど期待
 されていない戦後の建物の壁、のように。>(pp115-120)

<ハウプト通りこそ、ボウイが求めていたものだった。4車線
 大通りの東、線路の向こうは、「赤い島」と呼ばれる古い労働
 階級地区の始まりだった。[略]
 第三帝国の間は抵抗運動の中心地であり、マレーネ・ディート
 リッヒの生誕地であり、[略]キャバレー・シンガー、ヒルデ
 ガルト・クネフの古い行きつけの場所だった。>(p120)

 そんな住いから自転車に乗って、ボウイはベルリンの壁近くの
ハンザ・スタジオに通う。スタジオの窓からは東側の監視塔が
見える。

 自転車でのスタジオへの行き道、

<左手には元プロイセン最高裁判所だったところに航空保険
 管理センターがある。7月20日事件の共謀者たちは、ここに
 あったナチスの最高裁である人民法廷で裁かれたのだった。
 それからボウイは、「社会宮殿(Sozialpalast)」と名付けられた、
 1943年にゲッベルスが「総力戦」を呼びかけたスポーツ宮殿の
 跡地に建てられた12階の建物があったところを過ぎる。今、そこ
 には[略]コンクリートでできた514棟の賃貸アパートが建っている。
 [略] 
 ケーテナー通りに入る。38番がハンザ・スタジオだ。壁の真向かい
 に位置している。分断された街でもっとも大きな無人地帯である
 ポツダム広場のすぐそばだ。>(pp134-135)

 西側のひとは自由に東側へ行ける。東側のベルリンには、もっとナチ
に関係する遺跡、建築物が多い。

 地続きなのに、冷戦というバリケードに囲まれた孤島である西ベルリン
には、さまざまな時間の地層が堆積している。ドイツ国内であるのに、
米・英・仏・ソ、四つの戦勝国による共同管理地である。言い換えれば、
そこは terrain vague になるしかない、のではないか。


 記述のスタイルが、最初にできごとをクロースアップするように、
やや詳述、その後、周囲との位置関係が明らかな、引きの記述になる
ことが多い。絵筆を重ねて行くような文体でもある。
 
 
     (トビアス・ルター/沼崎敦子 訳『ヒーローズ ベルリン時代の
     デヴィッド・ボウイ』 Pヴァイン/日販アイ・ピー・エス 2017初 帯 J)

(1)トビアス・ルター/沼崎敦子 訳『ヒーローズ ベルリン時代のデヴィッド・ボウイ』
(2)トビアス・ルター/沼崎敦子 訳『ヒーローズ ベルリン時代のデヴィッド・ボウイ』





サイコパスの群れ__
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by byogakudo | 2018-12-02 22:35 | 読書ノート | Comments(0)
2018年 12月 01日

ドナルド・オグデン・ステュアート/浅倉久志 訳『ハドック夫妻のパリ見物』読了

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 写真は9月23日の白山で。閉店した(?)スナックバーの
ショーウィンドーだったか。


 1980年前後、レトロスペクティヴ傾向が見られた。戦前、1920
年代から40年代ころのファッションがアレンジされて流行ったり
(流行らそうとしたり)、アール・デコが注目されたり、つまり、
あれも生活面に於ける近代の始まりを見直そうとする動きだった
のかしら? 

 1978年、『ハリウッド・バビロン』(ケネス・アンガー/堤雅久 訳
クイックフォックス社)、『ハドック夫妻のパリ見物』(ハヤカワ文庫)刊行。
 1984年、『優雅な生活が最高の復讐である』(カルヴィン・トムキンズ/
青山南 訳 リブロポート)刊行。
 1985年、『こわれる』(ゼルダ・フィッツジェラルド/青山南 訳 晶文社)
刊行。

__と、まあ、自分の読書歴で当時の風潮を推し量ろうというのも、無茶、
無謀、僭越だけれど、わたしの歴史認識では、フィッツジェラルドが復活
(?)したりする、懐古的な、そういう時代だった。
 しかし、セゾン・グループぽいラインナップだな...。

 原作は1926年刊。アメリカの田舎もの、ハドック氏が妻(夫妻は50歳
前後)と生意気な娘(10歳)を連れてパリを訪れるが、パリで知り合った
人々の多くが、アメリカ人なのではないか(一見、パリジャンやパリ
ジェンヌみたいだが)と思われるし、観光名所を全部見て廻ろうと悲願
をたてるも、娘は寝込む、妻は看病しながら編物を始める、あえなく潰えて、
ハドック氏は、ひとり、どたばたとパリを駆け巡る。
 田舎ものの新鮮な眼差しで、パリのアメリカ人のスノビスムをからかう、
コメディ。
 そのまま映画にできそうな会話のやり取りやシチュエーション満載だが、
作者は脚本家でもあると『訳者あとがき』にある。そして、作者の回想が
紹介される。

< 1924年にパリへ渡ったあと、わたしは[略]『不思議の国のアリス』
 か、マルクス兄弟の喜劇に似たものを書こうと、心を決めた。こうして
 『ハドック夫妻の洋行』[注:『ハドック夫妻のパリ見物』の前作]は
 生まれた。それを(オテル・モンパルナスの小部屋に坐って)書くのは、
 とてもやさしい仕事だった。それ以上に楽しいのは、毎晩、その日に
 書き上げた分を持って、プラス・サン・ミシェルに住むジェラルド・
 マーフィ夫妻を訪ね、夫妻の作ってくれる魔法のカクテルをちびちび
 やりながら、そこに集まる友人たち、アーネスト・ヘミングウェイ夫妻
 や、ジョン・ドス・パソスや、ギルバート・セルデスに、自作を朗読して
 聞かせることだった。 
  あれはわたしの過ごした最も幸福な一夏だったと思う。>(p257)

 この本の扉にも、<ジェラルドとサラ・マーフィに>の献辞がある。


     (ドナルド・オグデン・ステュアート/浅倉久志 訳『ハドック夫妻の
     パリ見物』 ハヤカワ文庫 1978初 J)





サイコパスどもが__滅亡 亜屁沈臓/滅亡 汚池腐裏子/
呪 共謀罪=ネオ治安維持法/滅亡 吐爛腐・夷蛮禍/

 安保関連法(こと戦争法)の本会議投票行動(PDF)東京都の
安保関連法(戦争法)に賛成した議員名


 共謀罪強行成立記念! 安倍政権の暴挙を忘れないために振り返る
「共謀罪トンデモ答弁・暴言録」


 【票を入れるな危険】日本会議所属の都議候補一覧

 小池百合子氏 日本会議“本流”から外れた愛国者

 「共謀罪」法 衆参両院議員の投票行動

 上記のPDF






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by byogakudo | 2018-12-01 21:48 | 読書ノート | Comments(0)